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田辺聖子文学館、ジュニア文学賞入賞者決定 3291作品から36作品が入賞

第12回 田辺聖子文学館ジュニア文学賞

第12回 田辺聖子文学館ジュニア文学賞

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 大阪樟蔭女子大学田辺聖子文学館(東大阪市菱屋西4)が2月25日、「第12回田辺聖子文学館ジュニア文学賞」の入賞者を発表した。

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 同大学の前身である樟蔭女子専門学校国文科を卒業した作家・田辺聖子さんに関する研究機関で、自筆原稿や所蔵品などの資料を展示する同館。表現力豊かな若い世代を育成することと読書・文化活動の発展向上に寄与することを目的に、全国の中学生・高校生を対象とする同賞を2008(平成20)年に創設した。

 今年は、小説、エッセー、読書体験記の3部門で作品を募集し、応募総数は3291作品。同館館長で審査委員長の中西進さん、作家の林真理子さん、小川洋子さんが審査員をつとめ、36作品の入賞が決まった。昨年6月に田辺聖子さんが逝去したため、今回の「田辺聖子賞」は審査委員長の中西館長が選考した。

 各部門の最優秀賞受賞作品の中から、中学生・高校生の部各1作品を選考する田辺聖子賞は、中学生の部で白百合学園中学校(東京)3年生の岡本理江さん、高校生の部で鎌倉女学院高等学校(神奈川)1年生の中原和奏さん(ともに小説部門)が受賞した。

 小説部門中学生の部・選考長の林さんは、岡本さんの「城の中」について、「ぞっとする。それは嫌な感じのぞっとではなく、あまりにも真実をとらえているから。いじめを扱ったテーマの小説で、こんな風な形をとったものは見たことがない。本当に素晴らしい発想」と評する。

 小説部門高校生の部・選考長の小川さんは、中原さんの「ゆらぎ」について、「少女二人の微妙なすれ違いと、互いに相手を求めるひた向きさが胸を打つ作品。何より秀逸なのがプールの水の使い方。水の揺らめきや冷たさが、彼女たちの危うさを映し出している。どんなに傷ついても、どこからか光が差し、若い二人を照らす。そんな希望がラストに表れていた」と振り返る。

 読書・文化活動の向上・推進に寄与し、特に優秀な成果を上げた学校を表彰する「学校賞」は、文部科学大臣賞に甲南女子中学校、兵庫県立姫路工業高等学校(ともに兵庫)、文字・活字文化推進機構賞に恵泉女学園中学校(東京)が選ばれた。

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