東大阪市とCBcloud(東京都千代田区)が7月22日、市民サービス向上と地域活性化推進を図る包括連携協定を締結した。
東大阪市は7月1日、複雑多様化する行政や地域が抱える課題の解決、市民生活の向上、地域の活性化を目的に、民間事業者や大学のノウハウやアイデアを取り入れ、民と公のチームで地域力を伸ばしていこうと、公民連携協働室内に連携に関する相談受付窓口「東大阪市公民連携デスク」を設置。取り組みを始めたところ、CBcloudから「PickGo買い物代行」による市民の買い物支援と商店街や店舗のサポートに関する提案が寄せられ、他分野でもITを活用した課題解決が期待できることから同協定を締結することとなった。
CBcloudは、アナログな物流業界をIT活用で効率化し、ドライバーの労働環境改善を目的に、荷主とフリーランスのドライバーをマッチングするプラットホーム「PickGO」や、宅配効率化システム「SmaRyu Post」、運送事業者の業務支援システム「SmaRyu Truck」などのITソリューションを提供。「PickGo」には約1万6000人のドライバーが登録しており、新型コロナウイルス感染が拡大した4月には、プロの配達ドライバーが空いた時間に買い物を代行するサービス「PickGo買い物代行」を大阪府を含む7都府県と連携して始めた。
同社が自治体と包括連携協定を締結するのは今回が初めて。教育に関すること、スポーツ・文化・産業に関すること、健康・福祉に関すること、都市・環境に関すること、防災・治安に関することの5分野で連携する。
締結式は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、リモートで行われた。松本隆一代表取締役CEOは「外出自粛が経済活動に影響を与え、企業間の配送の仕事が減ったドライバーが買い物代行をするサービスを立ち上げた。ニーズは一過性のものでなく、買い物難民は常に存在し、それがコロナ禍で露呈した。ITの力で課題を解決し、東大阪モデルとしてほかの自治体のモデルになるよう総力を挙げて取り組んでいく。新しいスマートシティ戦略や、買い物に関わらない、人の移動モデルを作っていければ」と意気込む。
野田義和市長は「東大阪は生駒山間部を抱えているため買い物難民の市民もいる。買い物代行の運用ができた段階で国と協議して、人の移動に活用できれば。高齢者や体の不自由な人が利用できるような仕組みに発展させていけたら」と期待を寄せる。