近鉄奈良線「河内小阪」駅周辺で現在、商店街の店舗スタッフが講座を開く「得する街のゼミナール 小阪くらしの大学」が開催されている。
商店街にある店とそこにいる人を知ってもらおうと、2013年春に始まった同イベントは今回で6回目。各店のスタッフが講師となり、生活に役立つプロの技や情報を教える講座を春と秋の年2回開催している。毎回イベント終了後に参加店舗が集まり、アンケート結果を確認して次回の講座内容を決めているという。材料費が必要な講座もあるが、受講料は無料。
今回は24店舗が参加し、32講座を開催。手軽にチーズケーキが作れる講座や服飾店による上手な服のたたみ方、プログラミング言語を使ってゲームを作成する講座、初心者向けのラグビー講座など、多種多様なプログラムをそろえた。
11月16日には、洋食店「酔牛亭」(小阪1)がオリジナルスパイス作り講座を開催。同店は、店主の山本久嗣さんの祖父が戦前に和歌山で店を開き、バーテンダーやスナックの経営を経た父が1964(昭和39)年に河内小阪駅の南側で開店。2004年の代替わりに伴い現在の場所に店を移し、昭和洋食の味を山本さんが引き継いでいる。
講座冒頭に店の歴史を話した後、普通の塩コショウで下味をつけた「豚ヘレひと口カツ」とオリジナルスパイスソルトで味付けした物を食べ比べ、スパイスソルトの味を確認。用意されたセロリシードやナツメグ、パプリカなど6種類のスパイスと岩塩を、それぞれどのような特徴があるか説明を聞きながら分量通りに量り、オリジナルスパイスを完成させた。
「以前店に食事にきておいしかったから」と参加した20代の女性は「実験みたいで楽しかった」といい、「以前は小阪によく来ていた」という女性は、「自分で作る楽しさと家で使う楽しさがあるのでお得。最近小阪には来ていなかったが、このようなイベントがあると知って来たくなった」と話す。
「もともとお客さんの方もいるし、名前は知っているが来たことはなかったという方が講座をきっかけに来店してくれるようにもなった。秘伝の味なので同業者に教えるのは抵抗があるが、主婦の方には教えてあげたい」と、山本さん。過去3回ともオリジナルスパイス作りをしているが、「ほかに教えられるものは1日でできるものがないし、簡単に作れるようにすればうちの味じゃなくなる」と、講座内容にもこだわりを見せる。
同店では、今月30日にも同内容の講座を開講する。材料費500円。要事前申し込み。同日までほかの店舗も開講する。