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樟蔭中学・高校のボランティア団体、子ども服を届ける難民支援活動に参画

集まった子ども服を仕分けする生徒ら

集まった子ども服を仕分けする生徒ら

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 樟蔭中学校・樟蔭高校(東大阪市菱屋西4)の生徒によるボランティア団体「CSA」が現在、着なくなった子ども服を回収し、難民キャンプに送る活動に参画している。

まだ着られる服を箱詰めする

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 別々に活動していた2つのボランティア団体を合併し、昨年発足した同団体。現在、52人の生徒が在籍している。不要な文房具を校内で集めてウガンダに送るプロジェクトや募金、地域の清掃など、さまざまな活動を行っている。

 今回の活動は、新型コロナウイルス感染症拡大による休校期間中に「この状況の中で何か自分たちにできることはないか」と生徒たちが模索する中、高校2年の酒井結菜さんが、子どもたちが主体となって着なくなった子ども服を回収し、難民の子どもたちに服を届けるファーストリテイリングの「『届けよう、服のチカラ』プロジェクト」の記事を読んだことがきっかけとなり始まった。

 2013(平成25)年から続く同プロジェクトは、国内の小学校、中学校、高校を対象とするもので、参加決定後は、ユニクロ・ジーユーの社員が学校を訪問し、プロジェクトの説明と国際問題、環境問題、SDGsの出張授業を行う。その後は、生徒が主体となって回収方法などを検討し、各教室を回って協力を呼び掛けた。樟蔭学園には付属幼稚園があることから生徒が活動の意味などを園長にプレゼンし、園児の保護者にも協力を求めた。

 当初は近隣の学校にも協力を依頼する予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、中学・高校と付属幼稚園のみで回収。同プロジェクトには40人が参加し、集まった服をまだ着られる服と対象外の大人の服や汚れているものなどに仕分けする作業を行った。仕分け作業の後には箱詰めをしてメッセージを添え、1080枚の子ども服を送った。送った子ども服は同プロジェクトで、サイズ、性別、季節別などに細かく仕分けし、難民キャンプからオーダーのあったものを、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)を通じて寄贈。傷んでいる服などは燃料などにリサイクルする。

 同プロジェクトに率先して取り組む酒井さんは「クラブに入っておらず、受験勉強をしながら有意義に過ごしたいとCSAに入った。休校中は清掃活動などの見込みが立たず、新しい活動をしたいと思っていた時に記事を見て先生に相談した。中学、高校だけでも思ったよりも集まり、幼稚園を加えたことでさらに集まった」。酒井さんに同プロジェクトに誘われたという高校2年の大平洸さんは「中学の時は参加する機会がなく、高校に入ってから気になっていたCSAに入った。今回の活動では、服の汚れなど仕分けの基準が分からず難しかった。今まで着なくなった服は捨てていたが、出張授業で学んだのでこれからに生かしたい」と話す。

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