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国際児童文学館で「明治ポンチ本」企画展 明治後期の出版流通から迫る

滑稽風刺画を取り入れた「ポンチ本」

滑稽風刺画を取り入れた「ポンチ本」

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 大阪府立中央図書館・国際児童文学館(東大阪市荒本北1、TEL 06-6745-0170)で8月1日、企画展「発見!『明治ポンチ本』明治末期の出版流通空間」が始まった。

「ジャパン・パンチ」と「横浜新報もしほ草 江湖新聞」

 明治後半から末期にかけ大量に出版された、題名に「ポンチ」と入った小型本。同展では、これらの本を「明治ポンチ本」と総称し、個人蔵や他館所蔵のものも含め約60点の資料でどのような本だったのかを紹介する。同館では、同館所蔵の資料をもとに研究する「特別研究者」を毎年募っており、今年度の特別研究者の「明治ポンチ本研究会」が同展を監修。明治150年関連イベントとして開催する。

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 「ポンチ」は英語の「punch」がなまったものとされており、ポンチ本にはコマ割りやせりふなど、漫画に通ずる表現が見られる。1868年に江湖新聞が西洋の新聞に掲載されているポンチという名の西洋戯画を紹介しており、明治時代には日本でも滑稽風刺画を取り入れた絵雑誌や新聞が多く発行された。サイズは着物の袖に入れられる縦11.5センチ、横16.5センチのものが多く、日本が近代化されていく様子が絵で表現されている。

 当時、出版業の中心地は日本橋や神田だったが、ポンチ本の版元は浅草橋周辺に集中。大阪では松屋町付近に集中しており、玩具の問屋街に近接した場所で刊行されていたことが分かる。ポンチ本の奥付には販売所として全国書店とともに玩具小間物店が挙げられており、すごろくやかるたなどの紙製のおもちゃとともに販売され、後に明治政府の教育政策を受けて教育を冠する本が出てくると児童向けのカテゴリーを確立していった。

 同館の園田かおりさんは「漫画の歴史はよく取り上げられるが、明治のこの時代のポンチ本だけを取り上げるのは珍しい」と言い、「江戸時代からの流れをくむものと、後の漫画につながる部分と両方が見られる。肩の力を抜いてただ面白い絵を見るだけでも楽しめる」と話す。

 開館時間は9時~17時。月曜休館(祝日の場合は翌日)。10月31日まで。