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司馬遼太郎記念館で没後20年企画展 初期作品書いた文机も

没後20年記念企画展「司馬遼太郎の軌跡1 『ペルシャの幻術師』~『竜馬がゆく』」

没後20年記念企画展「司馬遼太郎の軌跡1 『ペルシャの幻術師』~『竜馬がゆく』」

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 司馬遼太郎記念館(東大阪市下小阪3、TEL 06-6726-3860)で現在、没後20年記念企画展「司馬遼太郎の軌跡1 『ペルシャの幻術師』~『竜馬がゆく』」が開催されている。

「梟の城」などの執筆に使った文机

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 来年没後20年を迎える作家・司馬遼太郎さんの軌跡を数回に渡り特集する企画展。今回は第1回として作家活動を始めたころからの初期作品にスポットを当てる。

 展示ケースでは、産経新聞記者時代に二晩で書き上げたという1956(昭和31)年に講談倶楽部賞を受けた実質上のデビュー作「ペルシャの幻術師」や、1960(昭和35)年に直木賞を受賞した「梟(ふくろう)の城」、後の歴史小説の始まりともいえる「竜馬がゆく」など、初期の9作品をパネルで紹介。

 展示する文机(ふづくえ)は、「梟の城」前後の初期作品を書いたとされるもので、その後、妻の親友に託したものだがその人物が今年亡くなり同館に里帰り。ちょうど没後20年の企画展に展示することになった。「ペルシャの幻術師」の締め切り直前に描かれた色紙「一枚の絵」は、義弟で同館館長の上村洋行さんに贈ったもので、裏面には「これから作家としての道を歩む決意表明が感じられる」(上村館長)というメッセージが書かれている。

 司馬さんと親交のあった黒岩重吾さんや今東光さん、山崎豊子さんらによる自筆色紙を張り合わせた「色紙のついたて」や自筆原稿、直木賞正賞の時計、池波正太郎さんに宛てた手紙など、初公開12点を含む75点を展示。ホールでは企画展に関連する司馬さんの作品を紹介した初公開のオリジナル映像も上映する。

 「今回の展示は多くの人が小説を読んでいた時代のもの。初期作品でも古びてはいないし、本に接触する導入部として若い人に本を読んでもらうきっかけになれば」と上村館長。「9作品を通じて初期の作家の雰囲気を感じてもらいたい」と話す。

 開館時間は10時~17時。休館日は、月曜(祝日・振替休日の場合は翌日休館)、9月1日~10日、12月28日~1月4日。入館料は、一般=500円、中高生=300円、小学生=200円。来年4月17日まで。

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