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大阪府立中央図書館で芥川賞作家・開高健企画展 生誕90年で軌跡たどる

開高健の生涯をパネルで振り返る

開高健の生涯をパネルで振り返る

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 大阪府立中央図書館(東大阪市荒本北1、TEL 06-6745-0170)で現在、企画展示「生誕90年 芥川賞作家 開高健」が開催されている。

トリスウイスキーの新聞広告

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 開高健は1930(昭和5)年、大阪市天王寺区に生まれ、大阪府立天王寺中学校(現・天王寺高校)、旧制大阪高等学校に進んだ後、1949(昭和24)年に大阪市立大学に入学。在学中に詩人の牧羊子宅に移り、結婚。長女・道子が誕生する。卒業後の1954(昭和29)年には、牧羊子の勤務先の壽屋(現・サントリー)に入社し、宣伝部に配属された。

 1956(昭和31)年4月には、同社のPR誌「洋酒天国」を創刊して編集長となり、同時期にトリスウイスキーの新聞広告のコピーライナーになり、「『人間』らしくやりたいナ」などの名コピーを後に残す。1957(昭和32)年に「パニック」を雑誌「新日本文学」に発表、1958(昭和33)年2月には「裸の王様」で第38回芥川賞を受賞した。

 旧制天王寺中学、大阪市立大学、サントリー社の有志により2013(平成25)年に発足した「開高健関西悠々会」と大阪市立大学同窓会、同館が共催する同展では、大学時代を中心に、小説家、コピーライター、紛争地域に赴く新聞社の海外特派員、大魚を求めて世界の海を渡り歩く釣り人など、次々に活躍の場を広げた開高健の軌跡を、パネルと同館で所蔵する小説、ルポルタージュ、釣り紀行などの関連図書約150冊でたどる。

 大阪市立大学同窓会事務局長の上村修三さんは「大阪市立大学時代の悶々(もんもん)とした時代を見てもらい、少しでも関心を持ってもらえたら。若い人やジャーナリスト志望の人、大学でグローバル人材を育てる人、社会に向かう若い人たちに読んでもらいたい」と話す。

 開館時間は9時~19時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。月曜(祝日の場合は翌日)、1月14日休館。1月31日まで。

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