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東大阪・永和図書館で「ジョゼと虎と魚たち」講演会 アニメ映画公開記念で

イベントの様子

イベントの様子

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 東大阪市立永和図書館(東大阪市永和2)で1月20日、イベント「田辺聖子『ジョゼと虎と魚たち』の世界」が開かれた。

学生が作品の面白さを読み解き発表

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 大阪樟蔭女子大学(菱屋西4)との共催で開いた同イベント。同大学前身の樟蔭女子専門学校卒業生の田辺聖子さんの短編「ジョゼと虎と魚たち」は、1984(昭和59)年に「月刊カドカワ」に掲載。1985(昭和60)年に同名短編集に収録された。2003(平成15)年には犬童一心監督により実写映画化され、昨年12月25日にはアニメ映画が公開された。

 同イベントでは、同大学田辺聖子文学館の館長で学芸学部国文学科の中周子教授が田辺作品の世界観や創作方法を解説する講演会と、原文を引用し、ゼミ生が同作品の面白さを読み解き解説する読書会を開催。

 同作品は、車椅子で生活するジョゼと大学生の恒夫の恋愛小説。講義では作品の冒頭部分を紹介し、登場人物を紹介。「田辺さんが56歳の時に書いたもので、田辺さんの普段の明るい作品と違い、ラストをどう解釈するのかが難しい作品。本人も自信作と言っている」と解説した。

 読書会では、学生がそれぞれ作中の気になった部分を調べて発表。タイトルの「虎」の意味するところやジョゼの性格、作中で使われている大阪弁の効果、作品の背景にある当時の障がい者への考え方などを発表し、最後は中教授が「映画ではラストが変えられているが、幸福を死だと思うのは、それまでの壮絶な人生、田辺さんの戦争体験などからくるものでは。名作は1回読んで分かるものではない。何度も読み返すべき作品が名作」とまとめた。

 同イベントに参加した東大阪市内在住の60歳の女性は「田辺さんの作品は全て読んでいて、この作品のラストをみんなどう思っているのか、解釈を参考にしたいと参加した。最後が分かりにくいという先生の話を聞いて思っていたことが同じで、最後の部分の話が聞けてよかった。難しい作品なのに学生さんも一生懸命研究していて、今日は来てよかった」と満足そうに話していた。

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