東大阪・若江岩田エリアに5月8日、「杏 ドライフラワーと暮らしのアトリエ」(東大阪市若江北町2、TEL 080-1431-4121)がオープンする。
フラワーコーディネーターの田中敦子さんは「いつか自分の店を持ちたい」と、子どもが小学1年の時に百貨店にある生花店でパート勤務を始めたが、小学3年の時に不登校気味になったため、電車で大阪市内に通勤していた田中さんは休みを取り、生花を買って自宅でアレンジメントフラワーを作るようになったという。その後、生花は日持ちしないため、ドライフラワーを使って作品を作るようになった。
ハーバリウムを作ってSNSに投稿したところ、友人から作ってほしいと頼まれるようになり、フラワーキャンドルやアロマワックスバーなどを制作。「こんなものを作ってほしいという依頼を受けているうちにお花でいろいろなものが作れるようになった」という。3年前からは「Florist AKKO」の屋号で、オーダー制作、レッスン、ブライダル、イベント出展など活動の幅を広げた。
子ども3人が小学校に上がった年、夏休みの自由研究用にと児童向けにドライフラワーを使った工作教室を開き、SNSに投稿。翌年の夏休みには、東大阪市内や大東市から約50人の子どもが参加した。「たくさんの子どもが集まってくれたのがうれしかった」と振り返る。
以前は、自宅の居住スペースで制作やレッスンをしていたが、「生活スペースなのでお互いが気を遣う。子どももものづくりができるおしゃれな場所を作りたい」と、自宅1階の駐車スペースと倉庫を改装。自身のアトリエに来てもらうイメージから、名称を「杏 ドライフラワーと暮らしのアトリエ」に変えた。
アトリエは、田中さんの制作スペース、教室、ドライフラワーを1本から販売するショップを兼ねている。子育てをしながら活動するため商品は受注生産としているが、リースやスワッグ、プリザーブドフラワーを使ったフォトフレームなど、その場で購入できる商品も用意する。生花を仕入れてアトリエでドライフラワーにしており、季節によるが常時20~30種類のドライフラワーをそろえる。来店は予約制で、オーダーはインスタグラムのDM、アトリエ、電話で受け付け、ヒアリングしながら制作していくという。サイズや花材によるが、リースは3,500円、スワッグは4,500円程度。店内のインテリア雑貨も販売する。
「今はレッスンを休んでいるが、メニューを作り直して6月末ごろから受け付けを再開したい。コロナ禍の中、形を変えながら楽しみながら進めていけたら。身近な範囲で自分のペースでできることから、手探りしながらやっていきたい」と田中さん。田中さんの子どもは「生活に困らず見た目には分からないが支援学級に通っている」といい、「特性のある子どものことも分かるし、そういう子どもたちも気兼ねなく来て、ものづくりができる場所にもしていければ」と意欲を見せる。