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東大阪・旧河澄家で「河澄家の動物たち」 動物描いた江戸時代の道具展示

モミジとサルが描かれた板戸

モミジとサルが描かれた板戸

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 東大阪市指定文化財の「旧河澄家」(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で現在、特別展示「河澄家の動物たち」が開催されている。

唐獅子とボタンが描かれた板戸

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 河澄家は、先祖は南北朝時代までさかのぼることができる旧家で、江戸時代に日下村に3軒あった庄屋のうちの1軒。屋敷は2001年に東大阪市の文化財に指定され、江戸時代初期の様相を残し保存修理工事し、2011年から一般公開している。今年4月からはアスウェル(羽曳野市)が指定管理者として管理・運営しており、さまざまな展覧会やイベントを企画している。

 同展では、旧河澄家所蔵資料の中から動物をデザインした建具や道具など13点を集める。入り口近くには来年のえとにちなみ、サルが描かれた板戸を展示。背に子どものサルを背負い、モミジの下でカニを捕ろうとしている図と、右手にヒョウタン、左手にさおを持つサルが描かれた対の板戸を展示している。裏面は唐獅子牡丹図になっており、はめられていたときには見えなかった部分が公開されている。

 奥に進むと、鶴亀や松竹梅が描かれた婚礼道具の一つとされる江戸時代の柄鏡や、鶴や亀が金蒔絵(きんまきえ)で描かれた盆などの道具を展示。

 背景に金泥で雲を描いている「六曲一双花鳥図屏風(びょうぶ)」(294×168センチが2隻)は、クジャクの親子や梅、流水などが描かれており、描かれた時代や作者は不明。「二曲一隻鶴図屏風」は、「鑑定していないので作者は不明だが、印が『狩野氏』『正信之印』と読める」という。2つの屏風を公開するのは初めて。

 「雨月物語」の作者である上田秋成らが集まる文芸サロンになっていたという奥座敷「棲鶴楼」には、江戸時代後期の真言宗の僧侶・慈雲尊者が絹に書いた「棲鶴楼」の扁額(へんがく)を展示。約35年前に論語の輪読会に通っていたという女性は、「棲鶴楼といえばこの扁額。久しぶりに見られて懐かしい」と目を細めた。

 「植物をデザインしているものは多いが、動物が描かれているものはあまりない。日頃は展示していないものばかりなのでこの機会に見に来てもらいたい」と橋本さん。

 開館時間は9時30分~16時30分。月曜休館(祝日の場合は翌日)。入館無料。今月20日まで。

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