漫才コンビ「シャンプーハット」のてつじさんが企画する、コメから日本酒を造るプロジェクト「米から日本酒を造る2021」の稲刈りが10月16日、東大阪市内の水田で行われた。
日本酒が好きで、田植えから始まる日本酒造りの全ての工程を体験して日本酒のすべてを知りたいと、てつじさんが2019年に始めた同プロジェクト。クラウドファンディングで資金と参加者を募り、田植え、稲刈り、精米、酒の仕込みなどすべての工程を参加者とともに体験し、出来上がった日本酒を皆で味わうところまでをプロジェクトとしている。
昨年は台風などの被害には遭わず、京都の与謝野酒造で酒を仕込み、4合瓶約700本が完成した。昨年同地で収穫した余剰米は北庄司酒造店(泉佐野市)が「純米生原酒 大阪産山田錦」として商品化し、東大阪市内では「酒のにしだ」(岩田町5)が東大阪市のマスコットキャラクター「トライくん」をあしらったオリジナルラベルで販売し、東大阪市のふるさと納税の返礼品にも採用されている。
今年の田植えは、新型コロナウイルスの影響で関係者と有志のみで行ったが、緊急事態宣言解除後に行われた稲刈りには130人以上が参加。冒頭、てつじさんが「今日は一粒万倍日で縁起がいい」と盛り上げ、田んぼの管理と指導をする農家の西田雄一郎さんが鎌の使い方や刈った稲の縛り方などをレクチャーし、稲刈りが始まった。
父親と一緒に参加した9歳と4歳の男の子は初めて稲刈りを体験。コツをつかんだ9歳の男児は「楽しい」と笑いながらサクサクと稲を刈り取っていた。
酒米作りも今年で3年目となり、てつじさんは「農業をやり始めて苦労が分かるようになって、値段で米を買わなくなった」という。「この田んぼで何本を作るというのではなく、できた分で今年の酒を造るということをしている。米の出来がいいとかではなく、今年の酒はこれというのを造り、1本の日本酒を造るのにたくさんの人に携わってもらって共通の思い出を作りたいというプロジェクトとして活動している」と話す。
今後は、乾燥、脱穀を経て日本酒造りへと進む。クラウドファンディングは2カ月ごとに始めており、「興味を持ってもらった人はどこからでも参加してもらえたら」と呼び掛ける。