大阪府立中央図書館(東大阪市荒本北1、TEL 06-6745-0170)1階で現在、企画展示「ほろ酔い文学」を行っている。
新型コロナウイルスの影響で集まって飲むことが難しいことから、酒にまつわる本を読んで飲んでいる気分を味わってもらおうと企画した同展。「ほろ酔いエッセイ」「ほろ酔い小説」「お酒の文化誌」の3つのカテゴリーで278冊の書籍を紹介する。
同館では通常、日本の小説やエッセー、英米の小説は1階の「小説・読物室」にあり、酒の文化誌やカクテルの作り方などは3階の酒造コーナーにある。同館調査相談課人文系資料室室長の八木美恵さんは「お酒にまつわるエッセーや紀行文は普段、別々の場所に置いているが、小説やエッセーに出てきたお酒に興味を持っても3階まで上がるのはハードルが高いと思う。小説を読む人は好奇心の強い人が多いので、小説コーナーの前に集めて展示した」と話す。
同企画では、酒にまつわるエッセーや酒が印象的な小説、バーや居酒屋が舞台となっている小説、酒好きの作家に関する書籍などを展示。「1990年代に多く出版されている印象があり、日本はほろ酔いのものが多いが、海外の作品は二日酔いや酔いどれなどが多く面白い。お酒を飲めないが飲む場が好きな人にも楽しんでもらいたいし、下戸(げこ)に関する本も選んだ」と話す。
「作家はお酒が好きな人が多く、いろいろな棚に埋もれているものを集めてみると意外と多くの本があった。作家が好きな人もお酒が好きな人も文学が好きな人も読んでもらいたい。昔より飲む人が減っているので若い人にとっては上の世代の人が書いた本が多いと思うが、泥酔文学というジャンルがあるということも知ってもらえるのでは」と八木さん。「12月18日から始まった展示で多くの人が借りている。リストアップした以外の図書も追加していきたい」と話す。
開館時間は9時~19時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。月曜、1月11日・13日休館(10日は開館)。1月23日まで。