東大阪市立郷土博物館(東大阪市上四条町、TEL 072-984-6341)で現在、企画展示「昭和の道具と東大阪のくらし」が開催されている。
市域の小学3年生が3学期に「祖父母が子どものころにどのような暮らしをしていたか」を授業で学ぶのに合わせて行う同展示。昨年は当時の東大阪の空撮写真を展示するなど、毎年視点を変えて企画している。今年は明治から昭和にかけて、東大阪を含む河内地域の暮らしぶりがわかる道具や写真パネル約200点を集めた。
1階の展示スペースでは、衣・食・住に分け会場を構成。「衣」では、東大阪市周辺で使われていた機織り機に始まり、当時の服装や足踏みミシン、洗濯板、炭火アイロンなど、衣服を作るところから手入れ、保管するやなぎごおりまでを紹介する。
「食」では、農家が配水の時間を計るために使用した香盤や、魚や餅を焼くときに使ったかんてき(しちりん)、おひつ、箱膳などを展示。「住」では、ちょうちんやつりランプなどのあかりや、ブリキの湯たんぽ、井戸に付けられたポンプ、水をこす「こしがめ」などを展示。
畳の上にちゃぶ台、火鉢、黒電話、たんす、白黒テレビなどをレイアウトし、当時の部屋を再現したスペースや、足踏みオルガン、給食の食器、ランドセル、教材など、学校で使用していたものを集めるスペースなども設ける。
地下1階は体験コーナーとし、さおばかりや匁(もんめ)はかり、かね尺など「はかる」ものを集めたコーナーや、綿と種を分ける綿繰り機、石臼、籾(もみ)とわらくずを選別する「とうみ」などに触れられるようにした。
「家族できていただければどの世代も楽しんでいただける。今の暮らしと比べてもらえれば」と、学芸員の中西克宏さん。「これから東大阪をどんな街にしていくか、街づくりを考えるきっかけになれば」と話す。
今月17日と24日には、わらぞうりを作る体験イベントを開催。小学生と保護者が対象で定員は各日15人。電話申し込みが必要。
開館時間は9時30分~16時30分。入館料は、大人=50円、高校・大学生=30円、小・中学生=20円。月曜・祝日の翌日休館。3月6日まで。