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東大阪市民美術センターで特別展「川内倫子とやまなみ工房の風景」 

会場の様子

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 東大阪市民美術センター(東大阪市吉田6、TEL 072-964-1313)で現在、特別展「川内倫子とやまなみ工房の風景」が開かれている。

写真家の川内倫子さん

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 国内外で数多くの展覧会を行う写真家の川内倫子さんが撮影したアートセンター&福祉施設「やまなみ工房」(滋賀県甲賀市)の制作風景の写真と、同工房に通う障害のある人が制作したアール・ブリュット作品を展示する同展。アール・ブリュットは、専門的な美術教育を受けていない人たちが独自の発想と表現方法で創作したアート作品で、川内さんの写真と併せて展示することで、インクルーシブな社会の実現について考える展示とした。

 1986(昭和61)年に開設した同工房には現在88人が通い、陶芸や絵画、刺しゅうなど、5つのグループに分かれて創作活動を行う。施設長の山下完和さんは「重度知的障害のある人が多く、最初は仕事ができるようになるかを考えたが、穏やかに一日一日を過ごしてほしい、みんな美術教育を受けていないしスタッフも詳しくないが、自身の人生を穏やかに過ごすかを大事にしている」と話す。

 会場には、点描のように見えるが数ミリの人を埋めつくして描いた作品や、絵の具を垂らしてストローで吹いて仕上げたもの、70歳で初めて鉛筆を持って絵を描いた人の作品、親に伝えたいことをイラストにしている人の作品などが並ぶ。

 2018(平成30)年から約1年半かけて撮影した川内さんは同工房について「自分が自分らしくいられる場所。無意識に同調圧力を感じる場が多いが、ここはみんな一緒じゃなくていいと思わせてくれる場所で、自分がいかに自分らしさを失っているかを自然に気付かせてもらえる」という。「その人にしか描けないものを描いているから評価されている。何か意味を求めてしまうが、意味がなくてもいいという作品を置いているのが素晴らしい」と話す。

 会期中、2月27日、3月6日・13日の各日14時からは、同工房の創作活動を約1年かけて取材し、彼らの作品が海外で高く評価される理由に迫るドキュメンタリー映像「地蔵とリビドー」を上映。各回先着50人。参加無料。3月12日14時からは、同センター学芸員によるギャラリートークを行う。

 開館時間は10時~17時(3月11日は20時まで)。月曜休館。入場料500円(中学生以下無料)。3月13日まで。

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