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東大阪・旧河澄家で「オルゴール展」 町工場社長のコレクション、160点展示

オルゴールを組み込んだ宝石箱や装飾品

オルゴールを組み込んだ宝石箱や装飾品

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 東大阪市指定文化財「旧河澄家」(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で現在、企画展示「オルゴール展」が開かれている。

スイス・リュージュ社のオルゴールベル

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 金型など機械部品の修理を専業とする溶接業「川勝溶工所」(高井田西)の3代目・川勝親社長が収集したオルゴールを展示する同展。約300点のコレクョンのうち、約160点を展示する。

 若い頃、バイクで日本全国をめぐっていたという川勝社長は、10代の頃から行く先々で土産品のオルゴールを購入し、収集。その後、川勝社長は大病を患い、何度も手術を受け苦しんでいた時に、オルゴールの音色に癒やされたという。「新型コロナウイルスやウクライナ侵攻など悲しい出来事が多く、心を閉ざしてしまう人もいると思う。私のコレクションが役立つなら、オルゴールに触れて、聞いて、心を落ち着かせてほしい」と、同展を企画した。

 会場に設置する解説パネルによると、14世紀、中世ヨーロッパの教会などではカリヨンと呼ばれる組み鐘の音で時間を告げており、1381年には世界初の自動カリヨンが設置された。15世紀にはぜんまいが開発され、小型のカリヨンが懐中時計に使われ始めたという。

 カリヨンの円筒状の表面の突起を用いて鐘をたたく仕組みはオルゴールと同じで、1796年にはスイスの時計職人がシリンダー・オルゴールを考案。1815年にはスイス土産としてオルゴールを組み込んだタバコ入れが流行し、日本には1854年の開国後に輸入された。日本では、1948(昭和23)年に三協精機(現・日本電産サンキョー)がシリンダー・オルゴールを開発して初出荷し、1980(昭和55)年、日本のオルゴールメーカーの生産台数は年間400万台に拡大した。

 会場には、シリンダー・オルゴールを組み込んだ宝石箱や装飾具、陶器製品、ベビーベッドに取り付けるサークルメリー玩具、ぜんまいを用いた機械仕掛けで動く人形にオルゴールを組み込んだからくりオルゴール、ICに音源データを格納した電子オルゴールなどが並ぶ。川勝さんのコレクションは、日本製が6割、スイス製3割、中国製1割。

 川勝さんは「スイスのリュージュやロマンスのオルゴールはメロディが柔らかい。超高価なものはないので触って聴き比べてほしい」と話す。

 開館時間は9時30分~16時30分。月曜休館。7月17日まで。

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