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東大阪・石切に青果店「MiKAN屋」 フードロス削減とコミュニティーの拠点に

(左から)大坪がくさん、後藤美紗さん、山崎雄司さん

(左から)大坪がくさん、後藤美紗さん、山崎雄司さん

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 青果店「MiKAN屋」(東大阪市中石切町1、TEL 080-3791-0831)が10月18日、東大阪・中石切町にオープンした。

農家から直接仕入れた野菜が並ぶ

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 山崎雄司さんと大坪がくさんの共同経営で、2019年7月に野菜の移動販売店としてオープンした「MiKAN屋」。飲食店に勤めていた山崎さんは、農家の人が直接野菜を売りに来た際に人手が足りないことを知り、休みの日に農作業を手伝いに行くようになり有機野菜のおいしさを知ったと振り返る。「農業に興味はあるが農家になるのはリアリティーがない。野菜を届ける仕事をしたいと思うようになった」という。

 大坪さんは、知人の銭湯オーナーからの声がけをきっかけに大阪市内で8年間、銭湯を経営。地域のコミュニティー作りを大切にしてきたという。山崎さんの「有機野菜のおいしさや、その野菜を作る人を知ってもらいたい」という思いに共感し、毎日銭湯を開けてから山崎さんと野菜を売りに行き、倉庫の前でも野菜を販売。移動販売では東大阪や大阪市内の飲食店の店先など1日当たり2カ所で販売してきた。

 店名の「MiKAN」について、大坪さんは「行き当たりばったりなのでいつも未完成という意味の『未完』と、スーパーなどに売っていない珍しい野菜を知ってもらいたいという意味の『未感』を掛けている。子どもにも覚えてもらいやすい名前にしたかったということもある」と説明する。

 同店で販売する野菜は、農家を訪ねお互いの思いを理解できた農家から直接仕入れているといい、「自分たちで取りに行ける範囲を中心としているが、縁があってつながった高知のショウガや福岡のイチゴなども仕入れている。おいしい野菜はもちろん、野菜を作る人にフォーカスしている」(山崎さん)と話す。

 新型コロナウイルス感染拡大以降は移動販売をやめ、宅配に切り替えた。受注発注で宅配しているが、「もったいないのは嫌い」という山崎さんが、店舗があることで余分に採れた野菜を販売し、フードロス削減に取り組むことができるのではと大坪さんに実店舗の開業を提案。2人の地元である東大阪市内に店を構えた。

 「昭和の八百屋みたいな感じではなく、おしゃれだけど緊張しないシンプルな店内にした」と大坪さん。店内では15~20種類の有機栽培野菜や農家から紹介された乾物、海藻類、総菜などを販売する。店舗を構えるにあたり、調理師で食生活アドバイザーの後藤美紗さんを迎え入れ、野菜の説明や総菜の調理は後藤さんが担っている。「食べてもらえると納得してもらえると思う。12月ごろからランチ営業を始め、野菜の使い方を提案していきたい」という。店内には7席を設ける。

 今後は農家を招いてイベントなども開催する予定。3人は「地域に根差して、人と人とがここで野菜を通じてつながるコミュニティーを作れれば。まちの情報を知ることができたり、ワークショップを通じてつながったりできる場所にしていきたい」と意欲を見せる。

 営業時間は10時~18時。月曜定休。

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