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東大阪市民美術センターで体験型美術展 スマホをかざして作品鑑賞

2次元コードを読み込んで被写体にかざすと画面上に映像が現れる

2次元コードを読み込んで被写体にかざすと画面上に映像が現れる

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 特別展「星の王子さまをさがして~ARで楽しむ体験型美術展~」が現在、東大阪市民美術センター(東大阪市吉田6、TEL 072-964-1313)で開催されている。

作品ごとに2次元コードを設置する展示会場

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 アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ原作「星の王子さま」をメディアアート作家「TOCHKA(トーチカ)」が新たな視点で表現する同展。ナガタタケシさんとモンノカヅエさんは1998(平成10)年から、アーティストユニット「TOCHKA」として活動を開始。2005(平成17)年から長時間露光写真とコマ撮りアニメーションを融合し、ペンライトを使って空中に線を描く手法でアニメーション制作を続けている。近年は、インタラクティブ映像の開発による、鑑賞者と映像との関わり方についての研究なども行っている。

 同展で展示する作品は、「コロナ禍で美術館が閉館になり、美術館に来られない人にアートを楽しんでほしい、スマホで鑑賞できる仕組みを作ることができないか」と制作。作品の約半数をインスタグラムがインストールされているスマートフォンやタブレットPCを使って鑑賞してもらう。会場には貸し出し用の端末も用意する。

 第1・第2展示室に入ると床や作品に2次元コードが設置されており、2次元コードを読み込むと、星の王子さまのストーリーに沿った映像がスマートフォンやタブレットPCの中に現れる。来館者はスマホをタップしたり、拡大・縮小したりしながら作品を楽しんでいる。

 「draw me a sheep」のコーナーでは、壁に設置されたペンライトを持ち、映像の指示に従ってペンライトで空中に絵を描くと、その絵が映像に反映される。「sunset chair」は、座面にセンサーの付いたイスに座って体を前後左右に動かすと、スクリーンの映像が体の動きに合わせて変わる。同展示室には1日6回ロボットが登場し、会場を案内する。

 第3展示室では、東大阪市立小阪中学校2年生を対象に事前に行った「ITを活用した美術教育~ラクガキをテーマにしたAR体験」と同じ内容で、開発中のアプリ「ストリートライター」を使い、同中学校の玄関をイメージした装飾を施した展示室のグラフィックをスマートフォンのカメラで撮影し、ARで描いた絵や落書きを共有する。特別室では、トーチカの過去の映像作品などを上映する。

 モンノさんは「星の王子さまは戦時中に書かれた作品で、裏のテーマを持ちながら書かれているので今の情勢にクロスした。作中に『本当に大切なものは目では見えない』という言葉があり、大人は権力や財力などに振り回されてしまうが、王子さまとバラの関係やキツネと王子さまの関係性などから、子どもの目線で本当に大切なものは何かを考えるきっかけになれば。また、絵を描く、美術に触れる機会として、絵は自由に描いていい、描く行為は欲求なので自由だということを伝えられたら」と話す。

 開催時間は10時~17時(8月18日は20時まで)。月曜休館。観覧料=500円(高校生以下、障がい者手帳持参の人、東大阪市内在住の65歳以上の人は無料)。9月3日まで。

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