東大阪市内の事業者が作った製品を市がブランド認定する「東大阪ブランド」に、新たに6社8製品が認定された。
「東大阪ブランド」は、認定することにより製品の価値を高め、市内事業者の製品開発を促進するとともに、ウェブやイベント出展などでのPRや販路開拓につなげることを目的に創設。認定区分は「プラスアルファ」「オンリーワン」「ナンバーワン」の3つがあり、さまざまな分野の専門家で構成する認定審査委員会の審査を経て決定する。募集は毎年度2回行い、8月の認定審査会で新たに6社8製品を認定。認定製品は今回で87社152製品になった。
木製品やクラフト道具の製造開発を行う虹紙製作所(東大阪市永和3)は、使いやすさとデザイン性を追求したカッター「nijigamicutter M」がオンリーワン認定された。柄に30度の角度をつけることで持つと自然に刃が垂直になり、真っすぐに裁断することができるのが特徴。木製の柄と刃折り器は一つ一つ手作りで仕上げている。消火器格納箱を製造する南海工業(友井5)は、防災備蓄品収納ボックス「IF」がオンリーワン認定された。在宅避難に必要な水や日持ちする食料、衛生用品などをストックする収納ボックスで、インテリアになじむデザインが評価された。
円筒研磨加工を専門とする面本(おももと)研磨(喜里川町)は、イカ釣り用浮きスッテとイカ釣り用タングステン重りの2製品がプラスアルファ認定された。市販されている浮きスッテは本体と針の一体型だが、同社の製品は本体と針が取り外し可能でパーツを交換することができる。タングステンの重りは鉛より小さく沈むスピードが速いのが特徴で、イカ釣り用とタイラバ用と併用できるよう工夫した。
マグネットシートメーカーのマグライフ(中鴻池町1)は、防炎掲示板で同社5製品目の認定を受けた。マグネットも画びょうも使える掲示板で、燃えにくい表面材を使い、発泡材の芯材で燃えにくさと軽量化を図った。ここ数年、建築設計事務所や公民館などからの問い合わせが増えているという。傘メーカーのカムアクロス(吉田本町1)は、東大阪産にこだわった日傘「ひがしおおかさ」でオンリーワン認定された。傘生地には、河内木綿はたおり工房(東石切町3)が綿の栽培から糸紡ぎ、織り、染色まで手がけた河内木綿を使用。持ち手はアクリル製造・加工のクリエイト築島(寿町1)が手がけ、傘は同社の傘職人が製造した。
1919(大正8)年にへら絞り金属加工業として創業し、1967(昭和42)年に世界初の魚釣り用電動リールを開発したミヤマエ(荒本1)は、2製品で認定を受けた。マグロ釣り専用リール「コマンドZ20マグロSPECIAL」は、漁師やプロ向けの電動リールを作り続けてきた同社が究極の物を作りたいと開発。カーボン製ドラグライニングと特殊グリスを採用し、300キロ級のクロマグロにも対応。「スムーズに釣り上げることで身が焼けない」という。「ミヤ・リードロン」は、電動リールの技術を応用し、リードでつないでドローンの安定飛行を補助する係留装置。墜落時にも機体を回収することができる。
認定を受けた虹紙製作所の和田英男さんは「認定されたことで東大阪のほかのものづくり会社の方とつながり、一緒に何かを作るきっかけになれば」と期待を寄せる。