東大阪市の「令和6年二十歳(はたち)の記念式典」が1月8日、東大阪市花園ラグビー場(東大阪市松原南1)で行われた。
東大阪市では新型コロナウイルス感染症対策として、2021年から市花園ラグビー場に会場を移して「成人祭」を開催。2022年4月施行の民法改正による成人年齢の引き下げに伴い、昨年からは「二十歳の記念式典」に名称を変更して行っている。今年は2003(平成15)年4月2日~2004(平成16)年4月1日に生まれた4096人が対象で、約2400人が式典に参加した。
式典の開催に先立ち、会場では参加した人たちが能登半島地震の犠牲者に黙とうをささげた。
野田義和東大阪市長は、同市名誉市民の作家・司馬遼太郎さんが小学6年生の教科書のために書き下ろした「二十一世紀に生きる君たちへ」の内容を紹介し、参加者たちに「人を思いやる優しさ、いたわり、人の痛みが分かる。そのことは本能として持っているものではなく、訓練して持てるものだという文章がある。いろいろな場面で学んできたことだと思うが、これから長い人生においても、このことは学び続けてほしい」とメッセージを送った。
参加者代表による「二十歳の誓いのことば」は、同志社大学2年の加藤清花さん、近畿大学2年の岡島光星さんが行った。バックパッカーとして海外を一人旅をするのが趣味という加藤さんは「さまざまな国籍の方や異なる文化で育ってきたたくさんの人に出会った。これからの人生で、まだまだ色とりどりの人に巡り会うことができると思うとワクワクが止まらない。温かい皆さんに囲まれて育つことができ、恵まれていたということを、この年になり実感している」と感謝の言葉を述べた。
幼い頃に野球を始めたという岡島さんは「野球でうまくいかないことが多く、諦めそうになることがたくさんあったが、どんなにつらいことがあっても優しく声をかけてくれる仲間がいた。日々の厳しい練習もみんなで気持ちを高め合い、乗り越えることができ、幼い頃から夢見ていた憧れの舞台・甲子園で準優勝することができた。これはつらい時でも支えてくれた仲間、育ててくれた家族や応援してくださった方々のおかげだと思っている。これからも仲間や家族を大切に感謝の気持ちを忘れず、日々精進して、支えてくれた方々に少しでも恩返しができるよう、胸を張って堂々と頑張っていきたい」と誓った。
式典終了後はグラウンドの一部をフォトスポットとして開放し、参加者は再会した友人たちと記念撮影を楽しんでいた。