大阪樟蔭女子大学(東大阪市菱屋西4)の学生考案の国産イワシとニシンの缶詰アレンジレシピが2月1日、マルハニチロ北日本(北海道釧路市)のウェブサイトで公開された。
レシピ開発に参加したのは、同大学学芸学部ライフプランニング学科・フードスタディコースの学生5人。同大学では2022年、国産水産物の需要拡大と魚食文化継承を目指し、ニシン文化研究専門の濱田信吾准教授と調理学専門の坂根正史准教授指導の下、ニシン料理のレシピを開発する課外授業に取り組んだ事例がある。その時の様子を記事で見たマルハニチロ北日本が、北海道産ニシンとイワシを使った同社新商品の缶詰を活用した協働事業を同大学に呼びかけた。
新商品は、「北乃創彩」ブランドの「北海道産にしん醤油煮」「北釧まいわし梅煮」「北釧まいわしレモンスープ煮」の3種。にしん醤油煮は、身が柔らかく脂がのっているのが特徴という羅臼産ニシンを使い、一度塩漬けにしたものを北海道産丸大豆しょう油とてんさい糖で仕上げた。イワシは釧路港で水揚げされた「北釧まいわし」で、梅煮には南高梅、レモンスープ煮には、瀬戸内産レモンの果汁とシチリア島産レモンの皮から作ったレモンペーストを使う。
学生たちは昨年6月に3商品を試食し、夏休みを利用してレシピ開発と試作を重ねた。それぞれ1商品につき1レシピを開発し、11月には同社開発営業部の関係者と共に計15品を試食した。
1月29日には発表会を開いた。「北海道産にしん醤油煮」を使った料理は、ジャガイモやキュウリ、スナップエンドウと合わせたサラダや、レンコンの食感を残したニシンとはんぺんのハンバーグ、魚が苦手な人でも食べやすいコロッケ、ショウガやセロリで臭みを抑えた担々麺など。
「北釧まいわし梅煮」を使ったレシピは、トマトと合わせたさっぱりしたものと、卵でとじたものの丼2品、冷やしうどん2品、キュウリとちくわを切って缶詰と合わせた酒のつまみになるサラダ。「北釧まいわしレモンスープ煮」のアレンジは、夏野菜とイワシの焼き浸し、スープ、サラダ、そうめん、サンドイッチと、バラエティーに富んだレシピを考案した。
プロジェクトリーダーの深見歩梨さんは「学生のうちに外に向けて発信する機会がなくなると思い、プロジェクトに参加した。油分に気を付け、独特の臭みを薬味で飛ばすよう工夫した。全員違うアプローチをしていたので、ほかの学生が作ったアレンジも勉強になり、これから作れる料理ができた」と話す。
坂根准教授は「汁はうまみのかたまりなので、それを使ってアレンジした。汁までもアイテムとして使えるものがこれから主流になる。時間がない時も料理の幅が広がり、食が豊かになると思う」と話す。
マルハニチロ北日本のウェブサイトで公開している学生レシピは今後、北海道物産展や商談会の際にも活用していくという。