文房具・生活雑貨の企画・開発・製造・販売を手掛けるクツワ(東大阪市長田中3)が11月1日、駅名文具シリーズ「駅名えんぴつ」「駅名ふでいれ」を発売した。
トップシェアを誇るマグネット筆入れや、5段階に芯の長さを調整できる鉛筆削り「ケズール」、教科書の内容に準じた定規類など、機能を持たせた学童文具を主に生産する同社。大人向けの商品では、蛍光色の鉛筆に鉛筆削りを付けた「鉛筆の蛍光マーカー」や、紙がきれいに切れる「折りたたみアルミ定規」などが多数メディアに取り上げられている。
同社では創業100年を機に、「これから先の100年に良い文房具が作れるよう、一般公募してクツワの商品をより良くしよう」と、同社の既存商品をベースにユニークなアイデアを募る「100年文具への道 大賞」のアイデアを募集。今年で5回の開催を数えた。
今回発売した「駅名えんぴつ」は、主婦・松尾和代さんが応募した第3回の優秀賞受賞作品「最後まで使いたくなる鉛筆」を商品化したもので、同コンテストのアイデアを商品化したのは今回が初めて。
鉛筆には北海道~九州の新幹線各線の車両と駅名をデザイン。全国の新幹線の駅名を学べる商品で、削っていくうちに駅が進んでいく楽しさがあり、松尾さんは「子どもがなかなか最後まで鉛筆を使ってくれないという悩みから考案した」という。鉛筆は三角軸で12本入り、972円。硬度はBと2Bの2種類。鉛筆を使い終わった後でも学べるよう、地理と漢字も同時に学べる路線図を付録として付けた。商品化を松尾さんに伝えたところ、「アイデアを出したものが商品になってワクワクしている」などの気持ちを伝える手紙が届いたという。
同社では関連商品として同日、「駅名ふでいれ」(1,944円)を発売。表面には、E5系はやぶさ、E2系はやてなどの車両の写真を掲載し、裏面には各路線の駅名を掲載した。
商品開発部の小谷忠弘さんは「どうやったら楽しく覚えられるか、文字の大きさや見やすさ、デザイン性など細かい調整が難しかった」と振り返り、「これをきっかけに、クツワらしさもありアイデアもあるものを組み合わせた商品を検討していきたい」と話す。