東大阪・長田の和紙体験スペース「紙TO和(かみとわ)」(東大阪市長田中4)で7月26日、体験サービスを提供する企業や団体、個人が交流する観光コンテンツの研究会が開かれた。主催は観光素材工房。
関西でインバウンド観光に関するセミナーの開催や、観光に関するコンサルティングを手掛けるスマート観光推進機構(大阪市北区)が運営する観光素材工房。事務局は観光関連産業の従事者で構成する。
訪日観光客はリピーターが増え「コト消費」を求めているが、「ミーティングをしていた際、大阪にはコトがあまりないことに気付いた」と事務局メンバーで旅行会社・博文舎の礒田真さん。他の旅行会社のメンバーとともに情報を持ち寄り、観光商品を企画していたが効率が悪いと感じ、「組織を作ってそこにコンテンツを持つ企業や団体を集めるのがいいのでは」と、観光素材工房を立ち上げた。
「個人や小規模向けの体験サービスを持つ人たちは手本がなく、横のつながりを持ちたがっている人が多い」と言い、「成功体験や失敗体験を共有し、それぞれのサービスに生かしてもらおう」と2カ月に1回、メンバー向けの研究会を開催。コンテンツのプレゼンテーションや実地体験、意見交換を行う時間を設け、コンテンツのコラボレーションや既存コンテンツのブラッシュアップなどの支援を行い旅行会社などへ提案している。メンバーは観光コンテンツを持っているか準備中の人で、現在、100人以上が登録している。
7回目となる今回は初めて、大阪市外で開催。プレゼンテーターは、「紙TO和」を運営する紙卸販売など手掛ける庫内(くらうち)、企業や団体向けにものづくりワークショップを提供する「UPPER RILY MARKET」(東石切町)、航空事業や地図作成などの空間情報事業を展開する朝日航洋(八尾市)の3社で、参加者は自らがすいた紙を押し花で装飾し、ランプシェードやキャンドルホルダーの制作を体験。朝日航洋は、移動手段としてプライベートジェットなどをプレゼンし、その後は交流会で情報交換を行った。
礒田さんは「オプショナルツアーは現地で購入するものが多いが販売が難しいため、オプショナルツアー予約サイトなどに販売をする流れも作っている。大阪は買い物の街といわれることが多いが、大阪は体験ができる街だとツーリストの人が認識してくれるようにできれば」と話す。