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大阪商業大学で「東大阪地域経済の歴史展」 東大阪の産業の変遷たどる

東大阪企業が国内で初めて開発した製品を展示

東大阪企業が国内で初めて開発した製品を展示

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 大阪商業大学・ユニバーシティ・コモンズ リアクト(東大阪市御厨栄町1)南館1階で10月3日、特別展「東大阪地域経済の歴史展」が始まった。主催は「工場を記録する会」。

河内木綿の帆布や糸紡ぎ機

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 昭和初期に工業地域の指定を受けた東大阪市・高井田地区の製造業の歴史を記録し、資料や写真を公開することで、工場の誕生や操業の様子を伝える同会。10月7日・8日に同大学で開催される「日本中小企業学会 第37回全国大会」に合わせ、同展を企画した。

 ギャラリーの「東大阪はじめて物語」コーナーでは、東大阪の企業が国内で初めて開発した製品を展示する。竹中製作所(菱江6)のさびないねじ「タケコート」や、ハードロック工業(川俣1)の緩み止め機能を持つ「ハードロックナット」、産業用のねじや鉄線にアート要素を持たせた川端ネジ製作所(衣摺4)の「アートねじ」や日本化線(高井田西3)のクラフト用「カラーワイヤ」、サンクレスト(南上小阪)のスマートフォンのぞき見防止フィルム「メールブロック」などを紹介する。

 会場ではこのほか、東大阪の産業のルーツである「河内鋳物(いもの)」「河内木綿」「鉄線」から始まる、地場産業をベースとした現在の産業の多様化までの歴史もパネルで紹介する。業態転換や新規事業に進出した第二創業・第三創業、ベンチャー企業の事例や、人工衛星「まいど1号」や小学生のアイデアを基に試作品を作る「大切な誰かのために考えた発明品コンテスト」などプロジェクトも紹介する。同フロアの地域交流ルームでは、長寿企業約30社の周年史や中小企業関連の書籍を並べ閲覧できるようにした。

 10月4日は「東大阪地域経済の歴史」、同5日は「東大阪製造業長寿企業の経営」と題し、関連セミナーを開く。開催時間は14時~14時45分。

 同会では、「特定の業種を紹介するミュージアムはあるが、地域全体の産業の歴史を見せるミュージアムはない」と、「東大阪工場ミュージアム」の開設を目指しており、同展や関連セミナーで構想について説明するという。

 「地域中小企業の歴史的変遷と現在の情報発信」「モノづくり教育」「個別工場見学との連携」「中小企業研究」「産学連携・産産連携」の機能を持たせ、古文書や調査文献、写真などを使い、東大阪のものづくりの歴史をストーリーとして見せる施設作りを目指す。

 同会の岡本好行さんは「これまで個別企業に焦点を当て記録や公開をしてきたが、ミュージアム構想に向け東大阪全体を捉える地域経済の歴史をテーマにした。今回の展示を見ていただき、ミュージアム開設に賛同してくれる企業が増えれば」と期待を寄せる。

 開催時間は10時~16時。入場無料。今月7日まで。

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