東大阪市内の小学生が考案した自転車用方向指示器「行きますよランプ」が完成し12月17日、贈呈式が行われた。
東大阪市内で開発した製品の魅力を都市ブランドとして発信する「東大阪ブランド推進機構」が市内在住・在学の小中学生を対象にアイデアを募った「第2回大切な誰かのために考えた発明品コンテスト」。414作品の応募があり、昨年7月、英田北小学校5年生(当時)の馬渡日菜子さんが考案した「行きますよランプ」が最優秀の「東大阪ブランド賞」を受賞し、試作品を作ることが決まった。
同作品は、「自転車に乗っている時に、後ろを走る妹や車にどちらに曲がるか知らせることができたら」と応募したもので、昨年8月から市内製造業関連会社が集まり、試作品を作るプロジェクトが発足。プロジェクトメンバー8社のほか、システムやデザイン、パーツの提供など14社が協力し、馬渡さんの意見も聞きながら何度も試作を重ね、今年5月の東大阪市民ふれあい祭り内の会場で試作品を贈呈した。
試作品贈呈後も同プロジェクトでは、長期的に使用することを前提に試作品を改良。設計担当では、けがをしにくく振動に耐える構造や防水機能、盗難防止を考慮したバッテリー部の構造、システム担当では、前後ユニットの無線通信や充電池・太陽電池の使用、自動点灯・自動消灯、昼夜で光り方を変えるなど機能の追加や仕様変更に取り組み、本業の合間を縫って、半年以上かけ完成させた。
完成品を受け取った馬渡さんは「以前は押せているか分からなかったけど、音が鳴って後ろが光っていることが分かったり、ソーラーパネルで省エネができたりしてすごいなと思った」と言い、実際に走った後は「押すところが気持ちよくて何回も押したくなった」と笑顔を見せた。
日菜子さんの母親は「娘のアイデアがこんな形になるとはという感じ。見えないところにもいろいろな知恵が詰まった良いものができた」と感慨深げに話し、「コンテストを通じて、子どもがいろいろなことを考えているんだと気付くことが多かった」と話す。
プロジェクトでサブリーダーを務めたオーシンの石田渉さんは「長期使用を前提にすることで変更点が多かった。実際に使うところを想像すると新たな問題点が多く出てきて、一つ一つクリアしていくのが大変だった」と言い、贈呈式を終えた後は「日菜子ちゃんに喜んでもらえたし、電池の取り外しや使用に関する話をした時に、お母さんに『これだったら私でもできるわ』って言っていただいたのが一番良かった」と胸をなでおろした。