大阪樟蔭女子大学(東大阪市菱屋西4)記念館2階で1月17日、2017年度学芸学部被服学科(現・化粧ファッション学科)の卒業制作展が始まった。
同学科は1949(昭和24)年の開学と同時に開設。ファッション・化粧・美容の3領域をトータルに学ぶことを強みにする。学びの範囲が広がったことから、2016年度より名称を化粧ファッション学科に変更した。
学科内の12の研究室では、3年生で卒業制作のテーマを決めて研究を開始。4年生から本格的に制作・論文に取り組んでいる。身体社会学研究室の川野佐江子准教授は「今年は内容が深く、積極的な学生が多い。化粧科学ではメークではなく、免疫や皮膚バリアなど健康志向に向いているのが今年の傾向」と話す。メークデザインは、昨年まではファンタジー系が多かったが、今年はアート系が多いのが特徴。「ふんわり柔らかなものよりとがった系。社会風潮を取り込む学生が増えている」という。
ファッション関連の研究室では、材料学や染色、色彩研究など実験ベースのパネルが並び、神戸ファッション美術館と連携して服飾の歴史を研究したものなど、テーマはバラエティー豊か。森優子准教授が指導する生活デザイン研究室では、編み物でドレスを作ったり、リボン素材でセーラームーンのコスチュームを作ったりと、「視点を変え、異素材のもので服飾提案に取り組んでいる」と話す。
被服構成学研究室の須崎静夏さんは、オープンキャンパス時に先輩の作ったドレスを見て同学科を受験したといい、卒業制作ではウエディングドレスを制作。夏生まれでビーチが好きなことからマーメイドラインのドレスとした。ポイントは「砂浜で汚れないよう、下の部分を取り外せるようにした。2ウェードレスをいろいろ調べたがマーメイドで短くしているものは少なく、レース部分にループを作って引っ掛ける仕様とし、下は軽い素材のものにした」と話す。
黒いイブニングドレスを制作した同研究室の鉄谷梨紗さんは、日本アカデミー賞を見るのが好きで、女優の満島ひかりさんが着ることをイメージした。ポイントは背中のドレープ部分と袖のプリーツで、「袖はいろいろな生地で試したが柔らかい素材だとプリーツの型がつかず苦労した。前身頃のパイピングやスカートの裾部分を縫うのが大変だった」と振り返る。出来栄えについては、「安藤サクラさんが着てそう」と笑顔を見せた。
開催時間は10時~16時。入場無料。一般も入場できる。今月23日まで。