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大阪府立中央図書館で「わろてんか」時代の上方演芸展 ドラマ撮影小道具も

上方演芸資料館設立のきっかけとなった砂川捨丸の鼓

上方演芸資料館設立のきっかけとなった砂川捨丸の鼓

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 大阪府立中央図書館(東大阪市荒本北1、TEL 06-6745-0170)で1月30日、大阪府立上方演芸資料館出張展示「『わろてんか』の時代の上方演芸~萬歳から漫才へ~」が始まった。

一輪亭花咲自作の「ぼてかづら」

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 大阪府立上方演芸資料館(大阪市中央区、愛称=ワッハ上方)所蔵品と大阪府立中央図書館所蔵の関連図書を中心に、現在放送中のNHK連続テレビ小説「わろてんか」の時代の上方演芸の世界を紹介する同展。大阪が育んだ笑いの文化、庶民の娯楽の移り変わりとその時代に活躍した演者を資料で振り返る。

 冒頭では、松竹新喜劇の基となる「俄(にわか)」を紹介。「二○カ」「二○加」などと書かれたこともある俄は8代将軍吉宗の頃、大阪の夏祭りに参拝した人がその帰り道に演じた余興から始まったといわれており、体に墨を塗ったり張りぼてのかつらをかぶったりと、「にわか仕立て」で用意した寸劇を演じたものとされる。幕末のころにはプロの俄師が登場し、神社の境内で興行として上演されるようになった。会場では俄師が描かれた本や、俄師として「二○加」を今日に伝えた一輪亭花咲自作の「ぼてかづら」、お経風に面白く読み上げる「阿呆陀羅(あほだら)経」で使う豆木魚など32点展示する。

 「わろてんか」のコーナーでは、ドラマで使った小道具など30点を展示。番組内で藤吉がかぶるイノシシのぼてかづらや万丈目吉蔵の後面、「風鳥亭」の番組表、今後放送されるシーンで登場する小道具など、ドラマと合わせて楽しめる内容となっている。

 「萬歳」から「漫才」への移り変わりを紹介するコーナーでは、漫才界の大御所・砂川捨丸と相方の中村春代や、しゃべくり漫才で人気を博したエンタツ・アチャコ、男女コンビの歌謡漫才・ミスワカナ・玉松一郎コンビを紹介。上方演芸資料館設立のきっかけとなった砂川捨丸の鼓も展示する。

 戦時中には、吉本興行部(現・吉本興業)が派遣した慰問団「わらわし隊」が帰還報告会として各地を回り、慰問をネタにした漫才のレコードで全国に名を広める。寄席では検閲を受けた漫才が披露され、笑いが取りにくい状態だったが戦時下でも漫才は生き続け、1947(昭和22)年には「戎橋松竹」が開場。各地に散らばった芸人が大阪に戻り、戦後の漫才復興が始まった。第1回わらわし隊の寄せ書きや漫才が収録された「漫才全集」「大衆娯楽雑誌ヨシモト」、ポスターなどを展示する。

 大阪府立上方演芸資料館の担当者は「今回展示する資料は、どれもが資料館にとって貴重な資料。ドラマで見られるものも今回展示しているので、親しんでご覧いただけるのでは」と話す。

 2月18日には、「わろてんか」の上方芸能考証を担当した梅花女子大学名誉教授・荻田清さんの講演会を開く。

 開館時間は9時~19時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。2月5日・8日・13日・19日休館。今月25日まで。

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