近畿大学の学生が東大阪市産業技術支援センター内「モノづくり試作工房」(東大阪市高井田中)のリニューアル案を作成し2月7日、東大阪市役所で野田義和市長に提案した。提案は、東大阪市と東大阪商工会議所、近畿大学が共同で進める「東大阪市都市ブランド形成推進事業」の一環。
産業技術支援センターは、企業の技術開発や品質向上など、もの作りに関連する技術的な課題を解決する施設として1997年に開所。同センター内の「モノづくり試作工房」には精密高速切断機やフライス盤、平面研削盤など工作機械を設置し、企業や個人が試作品を作ることができる場として提供している。
現状視察や市へのヒアリングを経てリニューアル案を作成したのは、文芸学部芸術学科 空間デザインゼミの学生4人。
あまり利用されていない理由について「プロが使うには機械が簡易すぎる」「1台の機械を使用するのに施設全体を借りなければいけない」「子どもが参加するワークショップに使うには殺風景」「別の棟にしかトイレがない」などと指摘。試作する場所を持てない若手クリエーターや学生をターゲットに据え、深夜作業ができるよう宿泊設備の付帯や、3Dプリンターや木工機械の設置、グラフィックを取り入れた内装、可動式パーティションでワークスペースを区切るなど、学生の視点を主体とした提案内容とした。
プレゼンをした3回生の八代茉子さんは「最初は課題のようなものだったが本格的なものにしようとなり、4人がそれぞれ出した案を組み合わせて一つの案を作り上げるのに時間がかかった。緊張したが率直な意見が出せ、いいプレゼンができた」とホッとした様子を見せた。