東大阪市指定文化財の旧河澄家(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で2月20日、地域の家庭から寄贈されたひな人形を飾る企画展示「桃の節句展」が始まった。
同展では、「家で飾るよりここで展示をしてもらいたい」と寄贈されたもののうち8組のひな人形を展示。約100年前のものという親王飾りや豪華な飾り棚に並べられた二段飾り、七段飾りが旧家の建物を華やかに彩っている。
今年の展示では「最近のひな祭りは、ひな人形を飾ってひなあられを食べるだけになりつつあるので、歴史を知ってもらうと見方が変わるのでは」と、パネルを製作。中国では上巳(じょうし)に当たる3月3日に水辺で身を清めて不浄を流し、宴を催しており、平安時代に日本に伝わったその風習は人形遊びや曲水の宴と結び付き、「体を擦り付けた人形に不浄を託し、水に流して身を清める行事」として定着。江戸時代には五人ばやしや三人官女などの人形や飾りが増え、豪華になっていったとされるなど、桃の節句とひな人形の歴史を解説する。
ほかにも、男びなと女びなを左右どちらに並べるのかが関東と関西によって異なる理由や、五人ばやしが持っている楽器が能にちなんだものであること、ひな飾りの桜とタチバナの由来などについて記載したパネルも展示。
学芸員の松澤加弥さんは「ひな人形は飾って楽しむものではなく、飾る人を守るものと分かって見方が変わった。家にあるが飾っていないという方に見ていただき、出してみようと思ってもらえたら」と話す。
3月3日の13時30分~と14時30分~には、日新高校琴同好会による箏曲演奏会を開く。
開館時間は9時30分~16時30分。月曜休館。入館無料。3月11日まで。