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大阪府立中央図書館で「明治時代と大阪」展 明治元年から150年で企画

「領事館大阪協議会議事録『居留地会議議事録』」

「領事館大阪協議会議事録『居留地会議議事録』」

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 大阪府立中央図書館(東大阪市荒本北1、TEL 06-6745-0170)1階展示コーナーで現在、「明治時代と大阪 近代の黎明(れいめい)」展が開かれている。

大阪府立中央図書館所蔵の福沢諭吉著「西洋事情」

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 今年は明治元年から150年、大阪府が置かれ、大阪港開港からも150年の節目の年にあたることから、「時代の節目に生き、明治時代を振り返って次代に何を伝えるかを考える展示になれば」と企画した同展。同館と大阪府公文書館所蔵の資料の展示と講演会を行う。

 会場では、明治期の大阪の歩みと日本の主な歴史を年表にまとめ、詳細をパネルで解説する。「御雇外国人」が技術指導を行い近代化に多大な影響を与え、その後、国内産業が成熟し、最大級の内国博となる第5回内国勧業博覧会が1903(明治36)年に大阪で開催されるなど、近代の黎明期を資料で紹介する。

 第1章では、大阪府で舎密(せいみ)局(理化学校)、医学校、洋学校、病院を合わせた総合大学の構想が示され、舎密局は後に京都に移転し、戦後、京都大学教養部となり、1869(明治2)年に開校した大阪府医学校病院は後に大阪大学医学部へと発展するなど、近代化の礎を作ったオランダ人のハラタマやボードウィンらによる功績を紹介。明治元年には、現在の大阪造幣局が立地する旧川崎村の敷地に英国人のウォートルスが工事設計した造幣局の建設工事が始まり、1871(明治4)年には世界最大規模の造幣寮が創業。1889(明治22)年を最後に「御雇外国人」はいなくなるなど、大阪城周辺の地域についてまとめる。

 第2章では、大阪開港と川口居留地、築港運動として、1868(明治元)年に開港したものの土砂が堆積して多くの外国船は河口まで入ることができず、1875(明治8)年には大阪-神戸間の鉄道が開通したため、多くは兵庫港を利用したことなどを紹介。西区川口1丁目付近に造成された外国人居留地は、イギリス人、アメリカ人、ドイツ人、フランス人、オラン人、ベルギー人が落札し、外国のような街並みだったと解説し、1869(明治2)年から1899(明治32)年に居留民により行われた居留地会議の議事録なども展示する。

 第3章では、1903(明治36)年3月1日から7月31日にかけて天王寺で開催された第5回内国勧業博覧会を紹介。第4回の2倍の面積で開催され、会期も最長の153日間で過去最大規模の内国勧業博覧会となり、入場者数も530万人を突破。外国のパビリオンが初めて設置され、イルミネーションを取り付け夜間開場し、会議も誘致したことなどを写真とともに紹介する。

 6月9日は「博覧都市大阪-第5回内国博覧会から1970年大阪万博、2025年国際博覧会誘致まで」と題し、大阪府立大学研究推進機構特別教授の橋爪紳也さんの基調講演会を行う。期間中、同館2階多目的室では大阪府公文書館出張講座も行う。

 開館時間は9時~19時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。月曜休館。6月10日まで。

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