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東大阪のプレス加工メーカー「チトセ工業」がIoT製品開発 「事業の柱の一つに」

防水無線温度・湿度・照度センサー「Logbee(ログビー)」ミニサーバーユニット

防水無線温度・湿度・照度センサー「Logbee(ログビー)」ミニサーバーユニット

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 チトセ工業(東大阪市横小路町4、TEL 072-984-5601)が6月27日、防水無線温度・湿度・照度センサー「Logbee(ログビー)」ミニサーバーユニットの販売を始めた。

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 同社は1962(昭和37)年、枚岡市(現・東大阪市)でばねの加工を主目的とする宮尾工業所として創業し、1964(昭和39)年にチトセ工業を設立。1966(昭和41)年にはプレス部門・金型設計製作部門を新設し、金型開発技術を核に、精密小型部品や自動車関連部品などの試作から金型製作、量産までの社内一貫体制によるプレス加工と、母材を溶かさず複数の金属を接合する炉中ろう付け加工を事業の柱としてきた。

 加工メーカーとして高い評価を得る一方、大手電機メーカーからの注文数が変動することにより売り上げが安定しないという課題を抱えていた同社では、自社ブランド商品を作ろうと2010年に事業開発部を立ち上げ。無線技術や電子技術、機構設計技術に強い人材と出会い、さまざまな無線の受託開発を始めた。

 2012年には、大学や農業研究所とともに産官学連携プロジェクトに参画。ビニールハウス内のセンサーを使って自動記録した温湿度照度データから育成度合いとの関連を分析するもので、同社はセンサーの開発を担当。農業用途では水や農薬がかかることがあるため、防水機能を備えたセンサーの開発に取り組み、ログビーの初期モデルが完成。改良を重ね2014年に販売を始めた。

 販売を開始したものの、これまでに取引のあった業界とは別の業界のユーザーを開拓しなければならず、当初は飛び込み営業を繰り返したが1年ほどは売ることができなかった。その後、ウェブマーケティングを学び専用サイトを立ち上げ、ウェブでの集客に成功する。国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」にも登録され、土木建築関連で建設現場のコンクリートの乾燥状況の監視などにも使われるようになった。

 従来製品は、親機とパソコンをUSBケーブルで接続していたが、新製品のミニサーバーユニットでは、シングルボードコンピューター「ラズベリーパイ」と組み合わせ、社内LANで共有することができる。これまでは専用ソフトが必要だったが、新製品はブラウザーでデータを見るため、スマホでも確認することができる。ミニサーバーユニットの価格は10万5,840円。子機は照度なし=4万1,040円、照度付き=4万5,360円。

 現在の子機は通信距離150メートルだが、年内に通信距離10キロの遠距離通信を実現し、より広い農場や建設現場などにも対応可能になる。事業開発部部長の岡進さんは「2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けHACCP義務化の動きも出てきている。データを残すお手伝いができれば」と期待を寄せる。

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