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司馬遼太郎記念館で「梟の城」展 館長トーク、忍者道具の展示も

企画展「『梟の城』-あらためての忍者の世界」

企画展「『梟の城』-あらためての忍者の世界」

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 司馬遼太郎記念館(東大阪市下小阪3、TEL 06-6726-3860)で10月30日、企画展「『梟の城』-あらためての忍者の世界」が始まった。

13種類の装丁の変遷が見られる

 「梟の城」は、宗教文化専門紙「中外日報」で1958(昭和33)年4月15日~1959(昭和34)年2月15日に連載された司馬遼太郎さんの最初の長編小説で、1959年度下半期第42回直木賞受賞作。原題は「梟のいる都城」で、単行本化に際し「梟の城」に改題した。豊臣秀吉の命を狙う葛籠重蔵と、それを阻もうとする風間五平、重蔵に近づく女忍者の小萩、木さるなど、伊賀・甲賀の忍者の生きざまを描く。

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 同館の上村洋行館長は「ドロンと姿を消す荒唐無稽な忍者ものが流行していたが、同作は現実にありそうに、リアリティーを持って忍者の世界を描いている」と話す。

 展示ケース壁面では物語の内容が分かるよう、地図や登場人物、物語の年表のほか、「忍者がどのような存在だったか」を同作から引用し解説する。「取材で伊賀を訪れた際、武士社会の中で忍者は職業集団だと感じた」と話す司馬さんが、現代の新聞記者と同じではないかと思ったことをつづったエッセーなども紹介する。

 同作の自筆原稿はないが、小説を執筆した文机の上には「芥川・直木賞40年記念展」の展示用に書き直した冒頭部分の複製を展示。司馬さんが連載にあたり寄せた文章や、装丁の変遷が見られる講談社と新潮社から出版された13冊の同作、初期に書いた忍者が登場する作品などを並べる。伊賀流忍者博物館所蔵の忍者道具も合わせて展示し、同作の世界観を伝える。

 「忍者の世界を初期の小説であらためて考えてもらえれば。この当時の小説は分かりやすく面白いので多くの人に初期の作品を読んでもらい、後の歴史小説だけでなく大娯楽小説を書いていた司馬像も知ってもらいたい」と上村さん。

 11月3日は14時から、開館18年を記念した「館長トーク」を開催する。司馬さんと同作について館長が語り、当日は館内にお茶席も設ける。

 開館時間は10時~17時。月曜休館(祝日の場合はその翌日、12月28日~来年1月4日)。入館料は、大人=500円、中。高校生=300円、小学生=200円。来年5月6日まで。