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東大阪市民美術センターで「須田剋太挿絵原画展」 愛蘭土紀行から43点

タワーブリッジやウォルドルフホテルを描いた作品

タワーブリッジやウォルドルフホテルを描いた作品

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 東大阪市民美術センター(東大阪市吉田6、TEL 072-964-1313)で現在、企画展「須田剋太 挿絵原画展~英国の街とアイルランドの空~」が開催されている。

作品には司馬遼太郎さんらしき人物も描かれている

 1906(明治39)年に埼玉県で生まれた須田剋太さんは独学で絵を学び、1936(昭和11)年の文展で「休憩時間」が初入選。1947(昭和22)年には「ピンクのターバン」が日展で特選を受賞するなど、戦前から戦後にかけ官展で活躍した。

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 戦後は西宮に移住し、1949(昭和24)年に抽象画家の長谷川三郎さんと出会って以降、これまで主に制作していた具象化から抽象画へと作風を転換。1971(昭和46)年から1990年に亡くなるまで、司馬遼太郎さんの紀行文集「街道をゆく」の連載で取材旅行に同行しながら挿絵を担当した。須田さんは作品を散逸させないため1990年、「街道をゆく」の挿絵原画など約2200点の作品を大阪府に寄贈。同年84歳で死去した。

 須田さんの没後30年を迎える2020年に回顧展の計画があり、同館では「今年から須田剋太さんの作品を市民の方に少しずつ紹介して回顧展につなげたい」と同展を企画。これまでは国内の紀行文の挿絵作品を展示してきたが、同展では、1986(昭和61)年~1987(昭和62)年に制作された愛蘭土(アイルランド)紀行の挿絵43点を展示する。

 須田さんの作品は大胆な筆致とコラージュが特徴で、「週刊誌はモノクロなので色を着けなくても良かったが、色や素材感などが印刷した時に効果的に出ている」と、学芸員の亀井見奈さん。「挿絵を見て知っているものでも原画を見ないと伝わってこないものもあり、一つ一つ迫ってくるような迫力があるので原画を間近で見ていただきたい」と話す。「須田さんは書の作品も残していて、作品に書かれたダイナミックな文字も見どころ」とも。

 「ロンドン、リバプール、アイルランドそれぞれの地域の特徴が出ている。『街道をゆく』を読んでから見ればより楽しめるが、作品を見ているだけでも海外旅行気分を味わえる」という。

 12月1日・8日・14日・15日・21日には、大阪府学芸員の中塚宏行さんが解説するギャラリーツアーを開催。

 開館時間は10時~17時。12月1日はナイトミュージアム開催のため21時まで開館。16時からはライトアップと光のオブジェの展示などを行う。月曜、12月29日・31日、1月2日休館。入場無料。来年1月7日まで。