近畿大学(東大阪市小若江3)は1月25日、同大学体育会水上競技部所属で2016年リオデジャネイロ・パラリンピック水泳日本代表の一ノ瀬メイ選手と、アーティスティックスイミング(AS)日本代表の福村寿華選手を、4月1日付けで同大学職員に採用すると発表した。
経営学部4年の一ノ瀬選手は先天性の右前腕欠損症で生まれ、1歳半から水泳を始める。2010年には史上最年少の13歳でアジアパラ競技大会に出場し、50メートル自由形(S9)で銀メダルを獲得。2016年リオデジャネイロ・パラリンピックでは個人6種目とチーム2種目に出場し、女子4×100メートルリレーで6位入賞。昨年開かれたアジアパラ競技大会では、出場した8種目すべてでメダルを獲得した。
法学部4年の福村寿華選手は、2011年13-15歳アジアエイジ大会でデュエットとフリーコンビネーションで優勝。2014年の世界ジュニア選手権では、チームで2位、フリーコンビネーションで優勝、昨年のアジア大会ではチームで銀メダルを獲得した。韓国・光州で7月に開催される世界水泳選手権大会の日本代表メンバーに選ばれている。
2人は、2004年アテネオリンピック200メートルバタフライ銀メダルで体育会水上競技部監督の山本貴司さんら、主に体育会クラブの指導者や競技者が所属するスポーツ振興センターの課外活動振興・強化職員になり、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、今後も競技に取り組む。
内定を受け一ノ瀬選手は「4年前、まだパラアスリートを受け入れることがメジャーではなかった環境の中で私の入学を認め、パラリンピアンになるまで育ててくれた大好きな近畿大学を来年からも背負って競技ができることを非常にうれしく思っている。競技結果で恩返しするだけでなく、応援したくなるような選手になれるよう精進する」、福村選手は「来年の東京五輪では日本代表の一員としてメダル獲得に貢献したい。職員としても世界を目指している学生の皆さんに還元できるよう、社会人としても成長していきたい」とコメントを寄せている。