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東大阪に変身メーク店「女装紳士」 なんばから移転、女装未体験者対象に

メーキャップアーティスト・変身メイク師のIMAさん

メーキャップアーティスト・変身メイク師のIMAさん

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 変身専門美容メーク店「女装紳士」(TEL 050-5274-5779)が東大阪市内に移転オープンして2カ月がたつ。

メークで変身した男性

 メーキャップアーティストのIMAさんはバンタンデザイン研究所メーク総合科を卒業後、現代画家としてデビューしたが挫折し、介護職などのアルバイトをした。介護職勤務時代、「人生このまま終わるのか」と沈んでいた時、友人男性から「友達を驚かせたい」と女装メークを頼まれ、「とても楽しく笑いのある時間だった」と、女装メークを始めたきっかけを振り返る。

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 ひげを消したり大きな毛穴を隠したりする男性へのメークは通常のメークではうまくいかず、特殊メークや舞台メークを手掛けるアーティストを訪ねた。化粧品や道具などはプロから情報を得てそろえ、2013年ごろからはツイッターでモデルを募集。カラオケボックスにメーク道具を持ち込んで練習を重ねたという。

 モデルとして来た男性の中に「女装したいけど家族に言えず、ビジネスホテルでこっそりしている」という20代前半の男性がおり、「自分は変なんじゃないかと葛藤していると打ち明けてくれた」とIMAさん。「その人からは孤独を感じ、誰にも認められない、打ち明けられない時期があった過去の自分とリンクした」と言い、「大人になった自分は何ができるかと考え、その場所を作る」と、男性に約束した。

 2015年には知人の会社に机1つ分のスペースを借り、営業を開始。「女装を趣味にしている人は自分でメークができる。自分ではできない人のために自分の時間を使い、人生一度の体験を提供したい」と女装未経験者を対象に決め、日本橋、難波、桜川と徐々に店を大きくしながら移転した。2017年には大阪発の国際アートフェア「UNKNOWN ASIA」で「Kanoknuch Sillapawisawakul」賞を受け、メディアに登場する機会も増えた。

 以前は難波のマンションの1室に店を構えていたが、「街中にあるのですぐに現実に戻ってしまう」と、現在は東大阪市内の一軒家(住所非公開)を拠点とする。昨年12月1日の移転リニューアルの際には、これまでの利用客のニーズに応えるサービスに一新し、カップルで体験を受けられる相愛コース(2時間~2時間30分、2人料金=6万円)や、エンディングドレスを着用して女装と終活体験ができる「女装×終活コース」(3時間、30万円)などの提供を始めた。各サービスには、IMAさんが手掛けるナチュラルな女装メークと衣装のレンタル、写真撮影などが含まれる。

 昨年からは、百貨店でのデモンストレーションや、化粧ファッション学科のある大阪樟蔭女子大学で学長をモデルにした女装メークの講座、80歳のモデルにメークする商業施設でのパフォーマンスなど、店以外の場所での活動も増えた。

 今後は「学生などメークを勉強している人に伝え、次世代を育てたい。日本で終わりたくないので海外の人にどれぐらい受けるか、アーティストとしてチャレンジしたい」と意気込む。