大阪樟蔭女子大学(東大阪市菱屋西4)国文学科と栗林書房(小阪本町1)が3月30日から、産学連携事業として栗林書房レッド小阪店(小阪1、TEL 06-6724-1200)店頭でワゴンを使った販促企画を展開している。
栗林書房は、現社長の栗林秀一さんの祖父が1932(昭和7)年に創業した書店。近くに住んでいた司馬遼太郎さんが生前によく利用していた書店で、手書きフリーペーパー「くりばやしだより」の発行や地元中学校の職業体験受け入れなど、地域に密着した取り組みを行っている。
今回の産学連携事業は昨夏から始まったもので、同店からの課題は「ネット販売にはない実店舗ならではの強みを生かし、新たな本の紹介を通じて売り上げアップを図る」というもの。3日間の就業体験をした後、6人の学生が2チームに分かれて、調査・検証・企画立案に取り組んだ。
提案はワゴンを使ったPRとし、POPの制作や商品の選定に取り組んだ。古典作品をテーマにしたAチームリーダーで3年生の荒井穂乃香さんは「読書離れをしていると言われている若者向けに考えてほしいと言われ、大学の授業で初めて古典が理解できたのでその喜びを広く伝えたいとテーマにした。なんとなく知っているけど詳しくは知らないだろうという作品を選ぶとともに、どの年代の方にも手にとってもらえるよう、原文、マンガ、現代語訳をそろえた」と話す。
Bチームは「トリックブック」をテーマに、飛び出す絵本やからくりのある本などをセレクト。3年生の齊藤舞子さんは「全ページ袋とじになっていて、そのまま読んでも袋とじを開いてもストーリーがつながる『生者と死者』を読んだ時に面白いと思ってテーマにした。紙の本を手に取ってもらうことが少なくなっているので、いかに手に取ってもらうかを基準にセレクトした」という。
期間中は、荒井さんがデザインを手掛けたブックカバーを配布。同店のマスコットキャラクター「ぶっくりん」と同大学伝統の深緑色のはかまを着用した女性を描き、今回の取り組みを形にしようとプロジェクトの様子をマンガで表現した。
栗林社長は「地域密着の書店ならではの取り組みとしてさせていただいた。学生さんの提案は分からないなりによく考えているなと思った」と話す。
営業時間は9時~21時(日曜・祝日=10時~20時)。4月末ごろまで。