司馬遼太郎記念館(東大阪市下小阪3、TEL 06-6726-3860)で5月8日、企画展「司馬遼太郎が見た世界」が始まった。
アジアや欧米など世界に関心を持ち、文明・文化、歴史、経済、文学など多岐にわたる作品を書いた司馬さん。同展は海外をテーマにした作品や関連資料74点を展示し、司馬さんの海外への視点に触れる展示とした。
韓国と日本の作家、学者、ジャーナリストらの座談会をまとめた「日韓 理解への道」「日韓 ソウルの友情」や、紀行「街道をゆく」シリーズの「台湾紀行」「モンゴル紀行」「オランダ紀行」、日本とロシアの関係を考証した「ロシアについて」、ベトナム戦争の終わり頃に南ベトナムを訪れて書いた「人間の集団について」など、作品の一部を引用し紹介。
関連資料では、「日本社会の一隅で」(「日韓 ソウルの友情 座談会」)、「万暦帝の地下宮殿で」(「長安から北京へ」)、「流民と栄光」(「街道をゆく 40 台湾紀行」)、「ロシアについて」など初公開の自筆原稿や、「人間の集団について」などの掲載誌、司馬さん自筆の題字案、安野光雅さん、須田剋太さんの挿絵原画、司馬さんの書斎にあった地球儀、取材ノートなどが並ぶ。
上村洋行館長は「書いたのは過去だが今の時代を考える何かがある。それをつかんでもらえればと企画した。司馬作品の根底にある民族、国、文明・文化をどう考えていたのか感じてもらえれば」と話す。
8月10日14時からは、同展に関連した館長トークを地下ホールで開く。
開館時間は10時~17時。月曜(祝日・振替休日の場合はその翌日、8月13日は開館)、9月1日~10日休館。入館料は、大人=500円、中高生=300円、小学生=200円。10月27日まで。