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東大阪・国際児童文学館で「日本の子どもの本」展示 明治~昭和の人気作品30点

「日本一ノ画噺」全35冊

「日本一ノ画噺」全35冊

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 大阪府立中央図書館 国際児童文学館(東大阪市荒本北1、TEL 06-6745-0170)で現在、資料小展示「日本の子どもの本~珠玉の30選~」が開催されている。

「こがね丸」などが並ぶ図書の展示ケース

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 約80万点の児童向けの資料を所蔵する同館。収蔵資料の中から、図書、雑誌、絵本、マンガ、紙芝居など、明治期から昭和期それぞれの時代に子どもたちが夢中になった書籍30点を選び展示する。

 導入部分となる入り口の展示ケースには、1887(明治20)年発行の日本初のグリム童話絵本「八ツ山羊」(訳=呉文聡)や、1924(大正13)年発行の宮沢賢治著「イーハトヴ童話 注文の多い料理店」(復刻版)、同館の代表的なコレクションの一つである絵雑誌「コドモノクニ」など、幅広い資料が並ぶ。

 図書の展示ケースには、日本の近代児童文学のスタートとされる巌谷小波(いわやさざなみ)が漣山人(さざなみさんじん)の筆名で書いた「こがね丸」や、子ども向け読み物シリーズの立川文庫「真田三勇士忍術之名人 猿飛佐助」、雑誌の展示ケースでは、鈴木三重吉主幹の「赤い鳥」、中原淳一が編集と表紙を手掛けた少女雑誌「ひまわり」などが並ぶ。

 絵本の展示では、日本で初めての保育絵本といわれ、1927(昭和2)年から現在まで発行が続く「キンダーブック」、福音館書店の月刊絵本「こどものとも」で人気となり絵本化された「ぐりとぐら」などを展示。マンガと紙芝居の展示では、新聞に連載され人気を博した「お伽 正チヤンの冒険」や、雑誌「少年倶楽部」で連載された「のらくろ上等兵」、街頭紙芝居で人気を集めた「黄金バット」などを選んだ。

 文章は巌谷小波、表紙と挿絵は杉浦非水が手掛けた1911(明治44)年~1915(大正4)年に発行されたミニチュア本「日本一ノ画噺」は、全35冊を並べて展示。特製本棚とともに現存するのは国内では同館だけで、全35冊をまとめて展示するのは今回が初めて。

 室長の山田愛望さんは「子どもの本の歴史が垣間見られる展示。一部だが、手に取って見てもらえるものもあるので体感いただける。それぞれの懐かしいポイントがあるので、いろんな世代の人に見てもらいたい」と話す。展示する資料と解説は、同館のウェブサイトにも掲載する。

 開館時間は9時~17時。月曜、第2木曜、6月8日~11日休館(5月3日は開館、5月6日休館)。入館無料。6月27日まで。

※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、4月25日から5月11日まで臨時休館となりました。(4月25日更新)

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