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東大阪の稲田桃再生栽培プロジェクトがジャム作り JAなど限定販売

「稲田桃再生栽培プロジェクト」プロジェクトリーダーの杉山泰敏さん(写真右)と村田俊明さん(同左)

「稲田桃再生栽培プロジェクト」プロジェクトリーダーの杉山泰敏さん(写真右)と村田俊明さん(同左)

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 東大阪市楠根リージョンセンター(東大阪市楠根1、TEL 06-6745-9147)企画運営委員会の「稲田桃再生栽培プロジェクト」で今年収穫した「稲田桃」のジャムが現在、東大阪市内で限定販売されている。

再生した稲田桃で作った「桃ジャム」

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 江戸時代中期~後期にかけ、同市の稲田地区で盛んに栽培されていた「稲田桃」。稲田桃は日本古来の野生種で、実が小さく先がとがっているのが特徴。お盆の供え物として大阪市内や京都へ出荷され重宝されていた。当時は同地域の約7割が桃林だったといわれ、江戸時代の「河内名所図会」には、川に舟を浮かべて花見を楽しむ様子が描かれているという。江戸時代後期ごろからは河内木綿の栽培が盛んになって桃の栽培は減り、1885(明治18)年の大洪水で大半が枯死した。

 1999年に楠根リージョンセンター「ももの広場」がオープンし、市民ボランティアで構成する企画運営委員会は「地域の特性を生かしたまちづくり事業として何をすればいいか」と市に相談。稲田桃の存在を知り、復活させ地域の名産にしようと2001年に「稲田桃再生栽培プロジェクト」を発足した。

 稲田桃の木がどこにあるかを調べると、日下の井上家と森河内の戸山家にあることが分かり、2002年夏に井上家から種を譲り受け、秋に種まき。3年ほどは採取した実を持ち帰り、畑で育てた。2003年には戸山家から挿し木したものをもらい同センター前広場に移植し、2004年1月には第二寝屋川沿いに約70本を移植。以降、毎年道路や公園などに移植して数を増やし、現在は約700本の稲田桃の木が同エリアに植えられている。2007年には、果実約200キロを採取することができ、初めて桃ジャムを製造して試食品を配布した。

 今年は例年より早く7月下旬に果実の収穫が行われ、「豊作で約400キロの実が採取できた」と、同プロジェクトの村田俊明さん。プロジェクトリーダーの杉山泰敏さんは「何年か育ててきた中でだんだん分かってきて、今年は実が大きく少し甘くなった」と話す。8月には地域ボランティアも加わり、原材料は稲田桃、砂糖、レモン果汁のみ、無添加の桃ジャム約300本を作った。

 ジャムは、地元の和菓子店「幸福堂」(稲田本町3)で販売中。JAグリーン大阪本店(荒本北1)では9月5日から販売する予定。価格は250グラム540円。

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