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東大阪・国際児童文学館で「フランダースの犬」資料展 初期翻訳作品など76点

日本で初めて紹介された日高柿軒訳の「フランダースの犬」

日本で初めて紹介された日高柿軒訳の「フランダースの犬」

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 大阪府立中央図書館 国際児童文学館(東大阪市荒本北1、TEL 06-6745-0170)で現在、企画展「フランダースの犬-ネロとパトラッシュのさまざまな姿-」が開催されている。

作者・ヴィーダを紹介する展示ケース

 イギリス人作家のヴィーダが書いた「フランダースの犬」は1872(明治5)年に単行本を出版して以来、多数の翻訳本や映像を通じ物語が広く知られてきた。同展では、初期翻訳作品など明治から平成に出版された「フランダースの犬」を集め、千葉大学の佐藤宗子教授の解説パネルとともに展示する。

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 入り口の展示ケースは、「フランダースの犬」の作者・ヴィーダを紹介するコーナーで、「帰ってきたむく犬」「ニュルンベルクのストーブ」などの邦訳作品とともに紹介。児童文学作家という訳ではなく、「フランダースの犬」ももとは子ども向けの作品として刊行された訳ではないという。

 日本で初めて紹介されたのは、1908(明治41)年に出版された日高柿軒(ひだかしけん)が翻訳した「フランダースの犬」(内外出版協会)とされている。ストーリーは原作と同じだが登場人物の名前を日本風にしており、ネロは「清」、パトラッシュは「斑(ぶち)」、アロアは「綾子」の名で登場している。

 同作品はさまざまなパターンの結末があるのが特徴で、「子ども向けの作品で悲劇的なのはどうかと、編集部からの依頼で結末が原作と異なる翻訳も多い」といい、ネロが大聖堂で目覚めたり、絵が一等に入選したりする作品も見られる。

 戦後に出版されたものは、ネロが大人っぽかったり、パトラッシュの犬種が異なっていたりするものもあり、テレビアニメーション化以降は、アニメに準じた絵が使われるようになるなど違いを楽しむことができる。同展では、アニメの第1話・51話・最終話の視聴も可能。2018(平成30)年に国立西洋美術館で開催された「ルーベンス展-バロックの誕生-」の会場で販売された、ネロとパトラッシュが描かれたグッズや関連書籍なども紹介する。

 同館の松井涼真さんは「日本で初めて紹介された日高柿軒翻訳の本と1936(昭和11)年の少女倶楽部の付録本を見られる場所は少ないのでは」と話す。

 開催時間は9時~17時。月曜、8月13日、9月12日・17日休館(8月12日、9月16日・23日は開館)。入場無料。9月23日まで。

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