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東大阪・旧河澄家で明星派歌人・石上露子展 縁の家で生涯振り返る

会場の様子

会場の様子

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 東大阪市指定文化財「旧河澄家」(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で現在、「石上露子展」が開かれている。

露子が描いた梅の水墨画

 石上露子(いそのかみつゆこ、本名=杉山孝)は、1882(明治15)年、富田林の豪商・杉山家に嫁いだ河澄家19代当主・雄次郎の娘・ナミの娘。13歳の時に母が実家に復籍し、2年後、父が再婚。1900(明治33)年ごろに出会った青年と恋愛関係にあったが交際は制限された。

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 1903(明治36)年には与謝野鉄幹が主宰する新詩社に参加し、同社の雑誌「明星」に短歌を寄稿。1907(明治40)年に家督を継ぐため婿を迎え、初恋の人に対するかなわぬ思いを詠んだ「小板橋」を発表した後、作家活動を禁じられ、家庭に入り文学界から身を引いた。

 同展では、10代の時に祖父・長一郎について歌った歌や、露子の文章が掲載された浪華婦人会による機関誌「婦人世界」、露子が描いた梅の水墨画、いとこの冬子に贈った杉の木の小箱など、縁の品20点とパネル50点を展示。同館では2016(平成28)年に露子と「明星」で活躍した歌人を紹介する講座を開いたが、展示は今回が初めて。

 学芸員の川崎有里紗さんは「露子の生きた時代は戦争が日常的に行われていた時代で、社会に対する問題に関心を抱き、反戦的な歌や女性に対する政治や職業の問題についても投稿した。恋愛の歌も思うままうたったものも多い。自由じゃない時代に自由な歌にのせて表現していたので、ぶれない、たくましい女性だったのではないか」と解説する。

 開催時間は9時30分~16時30分。月曜休館。入場無料。9月29日まで。

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