段ボールケースや美粧ケースの製造販売を手掛けるマツダ紙工業(東大阪市衣摺5)が段ボール製の「対面飛沫(ひまつ)感染対策ボード」を開発し、4月20日から販売を始める。
1958(昭和33)年に創業した同社は、段ボールケースや印刷紙器などパッケージ事業を手掛けてきたが、2011(平成23)年の東日本大震災発生時に避難所でプライバシーを守るための間仕切り用の段ボールを製造して届けたことをきっかけに、避難所で使用する段ボール製のベッドや授乳室、簡易トイレなどの製品を開発している。
松田和人社長は「新型コロナウイルスが感染拡大する中、10日ほど前に知人から、カウンターなどで対面販売をしているお店などはお客さんとの距離が近く、怖いので対策するものが必要なのではと話があった。また、鳥取県の庁舎内で手作りの段ボールの間仕切りを使っているニュースを見て、カウンターでの対応をしているところが多くあり、微力だが社会に役立つのではないかと開発した」という。
完成品のサイズは1メートル×88センチで自立式。顔の見える部分には27センチ×37センチの透明PET樹脂のボードを貼り付け、下の部分に切り込みを入れて書類などの受け渡しができるようにしている。「段ボールの良さは切れるところ。下の部分は商品のサイズなどに合わせて自由に切って使ってもらえれば」と松田社長。5分程度で組み立てできるという。価格は3,630円。
「社会を見るとカウンターで対応をする業務が多くあり、補助金申請で不特定多数の人と面談しなければいけないところや中小企業の商談、処方箋薬局などでの使用を想定した。菌が見えず、マスクをしていない人が来るなど怖い思いをしながら対応している人も多いと思うので、不安の解消につながれば」と話す。
受注生産販売で、サイズの変更は相談に応じる。