大阪樟蔭女子大学(東大阪市菱屋西4)が現在、さまざまな視点から笑いについて学ぶ授業「笑いは人をつなぐ」を開講している。
建学の精神に、「『高い知性』と『豊かな情操』を兼ね備えた社会に貢献できる女性の育成を目指す」とある同学園。これまでは情操を教育する科目が少なく、カリキュラムを改善し充実させようと、同大学客員教授で落語家の桂かい枝さんにプロデュースを依頼して今年、同講座が始まった。人を引きつけるコミュニケーション能力を身に付け、人々を癒やすことができる人材の育成を目指す。
全学科を対象とし、今年は2年生44人が受講。「狂言師の鈴木実さんや放送作家の米井敬人さん、落語作家の小佐田定雄さんなど、つながりがあったことから講師をお願いした。ほかにも心理学や健康、上方伝統芸能など幅広いジャンルの方が毎週リレー形式で笑いをテーマに講義をしている」と桂かい枝さん。
オンラインで行われた7月15日の授業は、放送作家の米井敬人さんと桂かい枝さんが講師となり、漫才やお笑い番組の制作について解説。米井さんは大阪芸術大学卒業で、大学では落語研究会に所属。放送作家として、「今ちゃんの『実は・・・』」(朝日放送)や、「なるみ・岡村の過ぎるTV」(同)、「ミルクボーイの煩悩の塊」(ABCラジオ)を担当するなど、関西のテレビ・ラジオを中心に活躍する。
米井さんは自身の仕事について、「企画や取材、打ち合わせなど、収録やロケの前段階の設計図を作る仕事」と紹介。最近の漫才については「今まではボケが注目されていたが、今はツッコミが注目されている」と言い、例えツッコミがボケになるパターンや乗っかってツッコむもの、乗っかって肯定するタイプなど、実在のコンビを例に挙げながら解説。「ツッコミのできる人は絶対みんなに愛される。ツッコむことは関心があることを表現していること。ツッコミから入ってコミュニケーションが取れる」とツッコミの役割について話した。
授業の最後には、「面白い芸人さんはラジオでも面白い。ラジオを聞いてみてほしい」と言い、「芸人の出演するラジオを聞いて、自分がプロデューサーやスタッフだったらどんな番組を作りたいか、番組タイトルや放送枠、エリア、出演者を考えてほしい」と課題を出した。
学生らは各授業の課題のほか、最終的にはオリジナルの小ばなしを創作し、オンライン会議ツール「Zoom」での発表に挑む。