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近畿大のマウスシールド「近大マスク」完成 市内企業と連携、第2弾開発も

近畿大学社会連携推進センターセンター長の伊藤哲夫さん(写真左)と立花静副市長

近畿大学社会連携推進センターセンター長の伊藤哲夫さん(写真左)と立花静副市長

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 近畿大学(東大阪市小若江3)理工学部機械工学科の西籔和明教授らが11月20日、開発したプラスチック製飛沫(ひまつ)防止マウスシールド「近大マスク」の完成を立花静東大阪副市長に報告した。

「近大マスク」着用イメージ

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 近畿大学では5月15日から、感染症対策の研究に取り組む「『オール近大』新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」を始動しており、全教職員の企画提案の中から72件の企画を採択。「近大マスク」も同プロジェクトの一環として開発したもので、西籔教授らが企画立案し、文芸学部文化デザイン学科の柳橋肇准教授がデザインを担当。医学部の感染症対策の専門家の意見を反映し、陸上競技部部員が装着して運動するテストをするなど、学部を横断して開発した。

 製作は、市内のものづくり企業3社と連携。モールドサポート(高井田中)が製品化のためのデザインと製造、藤塚精密金型(御厨東)が金型の設計と製造、沢井製作所(高井田中)が試作を担当した。

 マウスシールドはカップにフレームを付けて使用するもので、「顔のサイズはいろいろなので調整できるようにした」(モールドサポート道場誠司社長)と、フレームを付ける位置を2段階で調整できる。「柔らかくて割れにくく、傷が付いたらすぐ捨てられるぐらいの低価格での製造を狙っている。鼻以外は皮膚に当たっていないので、マスクで肌が荒れて困っている人にもいい」と西籔教授。試着した立花副市長は「軽いので違和感がない」、都市魅力産業スポーツ部の栗橋秀樹部長は「スポーツ用のマスクがないのでマラソン大会の時に使わせてもらえれば」と話す。

 当日は製作した1000個のマウスシールドを持参。東大阪市内の小学校や保育園、幼稚園などの教育現場や介護・医療現場に配布し、アンケート調査を依頼。使用者の声を参考に改良していくという。

 西籔教授は「東大阪のものづくり企業は、お金をもらえる、売れるではなく、困っているからやる。日頃から役に立つことをしようと連携し、信頼関係を築いているからすぐに作ることができる。第2弾も試作はできているので年度内には量産したい」意気込む。

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