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東大阪市民美術センターで「クレパス画名作展」 近代の巨匠から現代作家まで100点

クレパスで描かれた岡本太郎の作品

クレパスで描かれた岡本太郎の作品

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 東大阪市民美術センター(東大阪市吉田6、TEL 072-964-1313)で2月10日、特別展「クレパス画名作展」が始まった。

小磯良平の作品

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 大正半ばまで小学校の図画教育は手本の通り模写する臨画が中心だったが、ヨーロッパから帰国した版画家・洋画家の山本鼎(かなえ)が、感じたまま自由に描く自由画教育を提唱。当時の子どもたちが使っていたのは質の悪い色鉛筆や水彩絵の具で、一部では舶来品のクレヨンが使われていたが高価だった。

 1921(大正10)年ごろには日本国内でもクレヨンを製造する会社が誕生。サクラクレパス(大阪市)の前身である日本クレィヨン商会は、もっと良いクレヨンを開発しようと、クレヨンのように定着しやすく、パステルのように画用紙の上で混色ができる「クレパス」を1925(大正14)年に開発した。

 同展では、近代日本画壇の巨匠から現在、第一線で活躍するアーティストまで、約80人の作家によるサクラアートミュージアム所蔵のクレパス画100点を展示。サクラアートミュージアム主任学芸員の清水靖子さんは「画家や彫刻家、近代から現代まで作家のバリエーションもあり、作品のバリエーションも広い。絵が好きでない人でも知っている作家の作品がある。子どものころに使っていたクレパスでこんな絵が描けるんだと思ってもらえる展示になっている」と話す。

 会場入り口近くには、クレパス誕生のきっかけとなり、自身もクレパス画を積極的に発表した山本鼎の作品を展示。「子どもにも扱いやすい材料で、これだけ油絵具に似た鮮明度をもつ材料はほかにはない」と話したという小磯良平の作品は、パステル画のような「静物とモデル」、油絵のように塗り重ねることで深い色合いを出している「婦人像」の2点を展示する。岡本太郎や山下清、梅原龍三郎、須田剋太、舟越桂、鴻池朋子らの作品が並ぶ。

 2月13日・20日の14時~15時には、清水さんによるギャラリーレクチャー「クレパス画の愉(たの)しみ」を開催。参加には電話での事前申し込みが必要。

 清水さんは「違う画法の作家の作品もあるので意外性を見てもらいたい。クレパスは子どものイメージだが、大人や高齢の方にもクレパスで絵を描く楽しみの味わってもらいたい」と話す。

 開館時間は10時~17時(3月5日は20時まで)。月曜休館。入場料=500円。3月14日まで。

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