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東大阪で大阪高低差学会・新之介さん講演会 「東大阪は地形散歩が面白いエリア」

新之介さんの講演会の様子

新之介さんの講演会の様子

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 東大阪市役所で8月20日、大阪高低差学会代表の新之介さんによる講演会「新発見!東大阪の高低差を歩こう!」が行われた。

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 2013(平成25)年2月、3人の仲間とともに「大阪高低差学会」を設立し、大阪の地形の変化を観察したり、その土地の地質や町の成り立ちを調べたりするなど、地形と歴史に着目したフィールドワークを続けているという新之介さん。NHK「ブラタモリ」の「大阪」、「大阪城・真田丸スペシャル」の案内人も務めた。著書に「ぶらり大阪『高低差』地形さんぽ」(140B)、「地形散歩のすすめ」(学芸出版社)などがある。

 新之介さんは「縄文時代から現在にかけて、東大阪市ほど地形が劇的に変化した地域は他にない。縄文時代は平野部に河内湾が広がり、東大阪の大部分は海の底。弥生時代になると旧大和川が運んでくる土砂により陸地が広がり、人々は水辺に住みだした。江戸時代には大和川の付け替えにより、川跡では新田開発や綿花栽培が行われ、近代に入ると多くの水田は工場や住宅地となり、面影もほとんどなくなった。わずか数千年でこれほど地形が変わった都市はめずらしく、地形散歩がとても面白いエリア」と話す。

 講演会では、六甲山から生駒山までの断層の図を見ながら大阪平野の成り立ちを解説。河内湾が海から湖、池になった過程などについて説明し、布市でマッコウクジラの首の骨が発見されたことや、日下貝塚跡、本来、海岸線に生息するヒトモトススキが日下新池のほとりにあることなどについて解説した。「古事記や日本書紀に東大阪のことが書かれているのが面白い」と話す新之介さんは、248ページにも及ぶスライドを使いながら、「この商店街の両側の下がっている所は川だった所。頭の中で昔の川の流れる様子を想像しながら歩いていく」などと地形散歩の楽しみ方を伝えた。

 豊中市から参加した63歳の女性は「新之介さんの話に興味があり、山登りが好きで生駒山もよく歩くので参加した。今日は、地形の成り立ちやその土地の歴史などバックグラウンドもお話しいただき、高低差だけでなく、なぜそのような土地になっているのかを話してもらったのが面白かった」と話していた。

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