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東大阪・旧河澄家で「祭礼展」 布団太鼓のミニチュア展示、大幣神事紹介も

約100年運行した先代の日下布団太鼓のミニチュア

約100年運行した先代の日下布団太鼓のミニチュア

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 東大阪市指定文化財「旧河澄家」(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で現在、企画展示「日下の祈りと祭礼展 -布団太鼓は祭の魂、氏地の誇り-」が開かれている。

大幣神事を紹介するコーナー

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 石切劔箭神社(東石切町1)で10月21日・22日に執り行われる秋季大祭に合わせて開く同展。これまであまり研究や調査報告がされていなかった同神社の祭礼を解き明かし、地域住民が自らの地域の文化や歴史について考える機会にしたいと2015(平成27)年に始まり、今年で7年目を迎える。

 2回目からは、だんじり・布団太鼓模型のコレクターの大宮顕秀さんが所有する同神社や枚岡神社(出雲井町)氏子地区のミニチュア布団太鼓などを展示。同氏子地区の布団太鼓には「大阪型」と「淡路型」があり、それぞれの型式の特徴や、地区ごとに違う彫刻や刺しゅうなどをパネルで解説し、模型で見比べることができる展示としている。

 前回までは各地区の布団太鼓の違いに焦点を当てていたが、今回は「大幣神事」と呼ばれる夏季大祭も取り上げる。学芸員の前野さゆりさんによると「大幣」は、「たいへい」「おおぬさ」など呼ばれるが、同地区では「おいため」と呼ばれる。大幣は、長さ7メートルの丸太に白い布を巻き付け、先端に3面の扇と250枚の御幣(ごへい)を取り付けたもので、1本ごとに御幣の色が異なる。大幣を組む作業は伝統的に旧・神並村で行われており、宮司が扇や御幣を制作し、現在は辻子地区の野村和雄さん一族が祭りの前日に組んでいるという。

 夏季大祭では、大幣が神輿を先導して氏子地区をめぐり、病疫や災厄を集め、神社に戻って鳥居の前で勢いよくしならせた後、本殿の前でしならせることで厄をはらう。前野さんは「御幣を腫れ物に貼ると治ると言って持ち帰る人がいるほどで、石切劔箭神社が『でんぼ(腫れ物)の神様』といわれるゆえん」と話す。同展では、大幣のミニチュアと写真を用いた解説パネルを展示する。

 開館時間は9時30分~16時30分(最終日は12時まで)。月曜休館。入館無料。10月30日まで。

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