「たったひとつだけのあたたかみのあるお香立て 陶芸展」が3月17日、東大阪市指定文化財「旧河澄家」(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で始まった。
土台に蚊取り線香やお香を入れて口から煙が出る怪獣モチーフの作品
東大阪出身の陶芸家・桜井智子さんは、帝塚山短期大学工芸美術史の授業で陶芸と出合い、坪井明日香さんに師事。1986(昭和61)年に「第20回女流陶芸展」で入選し、以後連続4回入選。2019年には「第53回女流陶芸展」文部科学大臣賞受賞、昨年、「第41回京都工芸美術作家協会展」で協会奨励賞を受賞した。
1992(平成4)年には東大阪市・加納に窯を設け、2004(平成16)年には近鉄けいはんな線・新石切駅近くに石切工房・桜陶庵(おうとうあん)を開設。2017(平成29)年1月、現在の西石切町に移転した。
同館では毎年春に陶芸展を開いており、今年は桜井さんの作品1点と陶芸教室の生徒が作ったお香立て72点を展示。桜井さんの作品「アスカラノヒビ・・・」は、作陶中の昨年、師匠の坪井さんが亡くなり、「これからどうしたらいいのだろう」など、いろいろな思いから作品名を「アスカラノヒビ・・・」としたという。
生徒が制作した作品は、お香立てや香炉など形態はさまざまで、桜井さんは「旧河澄家で展示することを目標に皆さん作っていた。旧家に合う作品もあれば自分の好きな生き物をモチーフにした作品もあり、今回もさまざまな個性的な作品ができた」と話す。
同館の珠久真里子さんは「旧家に展示されたさまざまな温かみのあるお香立て作品とともに、古くから日本に伝わるお香文化に思いをはせながら楽しんでほしい」と来館を呼びかける。
開催時間は9時30分~16時30分。月曜休館。入館無料。4月16日まで。