東大阪市指定文化財「旧河澄家」(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で現在、企画展示「祭礼展」が開かれている。
石切劔箭(いしきりつるぎや)神社(東石切町1)で10月21日・22日に執り行われる秋季大祭に合わせて開く同展。地域住民が地域の文化や歴史について考える機会にしたいと、2015(平成27)年に始まった。2回目からは、だんじり・布団太鼓模型のコレクターで製作者でもある大宮顕秀さんが所有する石切劔箭神社や枚岡神社(出雲井町)氏子地区のミニチュア布団太鼓などをパネルとともに展示する。
「以前は青年団や消防団、祭りなどの活動に参加していたが、仕事の関係で祭りに参加できなくなった」という大宮さん。「孫ができて祭りに連れて行った時、自分が参加していた時は50人くらいいた担ぎ手が、10年離れたら青年団の人数が激減していた。この祭りの文化を世に残さなければいけないと、10年ほど前から布団太鼓とだんじりのミニチュアを集め始めた」と話す。
八尾にある布団太鼓製作会社を見学した際、「社長にミニチュアの布団太鼓を買ってくれないかと持ちかけられた」という大宮さん。ミニチュア布団太鼓やだんじりを収集・製作していることをさまざまなところで話すと、布団締めのミニチュア版を正確に作ってくれる「学生服&刺繍 ロンドン」(岩田町4)や、レーザー彫刻の絵のデータを作ってくれる人、彫刻の彫忠(八尾市)、八尾でアクリルケースを製造する南浦商事(同)など、「協力してくれる人がバタバタと集まってきた」という。大宮さんと家族も、構成や組み立て、パーツの製作などを手がけている。
同展では、布団太鼓とだんじりの模型18台と、刺しゅう、レーザー彫刻など、パーツの模型43点を展示。刺しゅうや彫刻は軍記物や合戦物がモチーフになっており、各地区の布団太鼓を撮影し、装飾の細かな部分まで忠実に再現している。実際の祭りでは詳細まで鑑賞することは難しいが、模型では太鼓台の作りをゆっくりと観ることができる。
コロナ禍で祭りが中止になった2020年に中之島図書館で開催した「祭礼展」には、約6000人が来場した。大宮さんは「大阪万博が終わるまでは展示を続けたい。展示できるところがあれば活用してほしい」と話す。
開館時間は9時30分~16時30分。月曜休館。入館無料。10月29日まで。