近鉄奈良線河内花園駅近くの飲食店が1月10日から、能登半島地震の被災地を支援しようと店内に募金箱を設置している。
募金箱を設置したのは、和風フレンチレストラン「お野菜料理 ふれんちん」(東大阪市花園本町1、TEL 072-9614910)。店主の白山登茂和さんの母親は能登半島の七尾市出身で、白山さんは調理師専門学校卒業後、金沢市のレストランなどでフランス料理を修業した。妻の晴美さんは同市出身で、ソフトボールに集中するため高校時代の3年間を同半島の輪島市で過ごした。白山さんは「親戚や元同僚、友人もおり、能登半島は思い出深い縁のある場所」と話す。
1月1日の能登半島地震発生直後から「何かできることはないかと考えた」と白山さん。「本当は直接行って支援したかったが、すぐに行っても迷惑になるし、物資を送ろうにも、どこで何が必要か分からなかった」と振り返る。ひとまず個人として寄付を行った。今年最初の営業日の1月10日には、「北陸チャリティーレストラン」と石川県災害義援金への寄付を募る募金箱を設置。寄金に同店からの寄付を添えて送る。
被災地の状況や親戚・知人の安否情報を確認する中で、以前、2人が働いていた「ぶどうの森」(金沢市)も参加していることが分かった「北陸チャリティーレストラン」は、2016(平成28)年の熊本地震発生時に立ち上がり、北陸のレストランシェフが熊本県産の食材を使った料理を提供して収益金を寄付するイベントを開いたり、熊本に出向いて料理を振る舞ったりするなど被災地支援を続けてきた。
能登半島地震発生後、同団体は自らも被災者である地元飲食店による炊き出しへの支援を始め、1月10日からは「ぶどうの森」にセントラルキッチンを開設し、1日1500食以上の温かい料理を避難所へ運んでいるという。
白山さんは「継続的に支援金を送るなど、助けになることを少しでもできれば。これから必要な支援も変わってくるし、長い目で見た支援をしていかなければならない。現地の支援体制が落ち着いてきたら能登の食材や酒を積極的に使ったメニューを店で提供したり、チャリティーレストランに参加して一緒に料理を作って温かい食事を届けたりしたい」と被災地に思いを寄せる。