見る・遊ぶ 暮らす・働く

鴻池新田会所で須田剋太展 「街道をゆく」挿絵原画や50年前の抽象画展示

「街道をゆく」の挿絵原画

「街道をゆく」の挿絵原画

  • 44

  •  

 国史跡・重要文化財の鴻池新田会所(東大阪市鴻池元町)で9月26日、「Art Planet東大阪 須田剋太展―『街道をゆく』挿絵原画と抽象画―」が始まった。

「街道をゆく」挿絵原画の展示風景

[広告]

 地域の文化的資源を活用し、市内の文化施設を訪れる機会を創出しようと昨年始まった「Art Planet東大阪」。昨年は、大阪府が所蔵する「大阪府20世紀美術コレクション」から14点の現代アート作品を同館に展示し、好評を得たことから今年も開催が決まった。

 1906(明治39)年、埼玉県生まれの須田剋太(本名・勝三郎)さんは独学で絵を学び、1936(昭和11)年の文展で「休憩時間」が初入選。1947(昭和22)年には「ピンクのターバン」が日展で特選を受賞した。その後、西宮に移住し、1949(昭和24)年に抽象画家の長谷川三郎さんと出会って以降は、これまで主に制作していた具象画から抽象画へと作風を転換。1971(昭和46)年から病に倒れる1990年まで、司馬遼太郎さんの紀行文集「街道をゆく」の連載で、取材旅行に同行しながら挿絵を担当した。死期を感じた須田さんは作品を散逸させないため1990年、「街道をゆく」の挿絵原画など約2200点を大阪府に寄贈。同年、84歳で死去した。

 同展では、「街道をゆく」の第3巻から「河内みち」の挿絵原画16点を展示。「河内みち」は司馬さんと須田さんが1972(昭和47)年の夏に司馬さんの東大阪市内の自宅を出発し、当時の若江村から、平石峠、高貴寺、弘川寺、観心寺を経て、大ヶ塚顕証寺で旧暦の8月1日に行われる八朔祭りを楽しむまでの紀行文。

 市制施行50周年にちなみ約50年前に描かれた抽象画の油彩画3点、グワッシュ7点も展示し、会場には市が所蔵する石切神社や布施商店街、八戸ノ里プールなど、東大阪市発足前後の写真も展示する。

 東大阪市人権文化部文化国際課の村上恵理さんは「天井が高く広々した重要文化財の木造建築の空間で作品を見てもらえたら」と話す。

 開催時間は10時~16時。入館料は、大人=300円、小・中学生=200円(土曜午前は高校生以下無料)。10月1日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース